Regeneration リジェネレーション 再生 気候危機を今の世代で終わらせる

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Regeneration リジェネレーション 再生 気候危機を今の世代で終わらせる
Regeneration: Ending the Climate Crisis in One Generation

ポール・ホーケン(著), 江守正多(翻訳), 五頭美知(翻訳)
山と渓谷社 (2022/3/19)

ポール・ホーケン Paul Hawken
起業家、作家、活動家であり、環境の持続可能性とビジネスと環境の関係を変えることに人生を捧げている。
環境保護活動に関する企業改革の先駆者。環境に配慮したビジネスを成功させ、経済活動が生態系に与える影響について執筆活動を行ない、経済発展、産業エコロジー、環境政策について各国の首脳やCEOにコンサルティングを行なっている。
著書に『ドローダウン―地球温暖化を逆転させる100の方法』(山と溪谷社)、『祝福を受けた不安―サステナビリティ革命の可能性』(バジリコ)、『自然資本の経済―「成長の限界」を突破する新産業革命』(日本経済新聞出版)ほか。

江守正多 えもり・せいた
1970年神奈川県生まれ。1997年に東京大学大学院 総合文化研究科 博士課程にて博士号(学術)を取得後、国立環境研究所に勤務。2022年より東京大学 未来ビジョン研究センター 教授(総合文化研究科 客員教授)/国立環境研究所 地球システム領域 上級主席研究員(社会対話・協働推進室長)。専門は気候科学。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次および第6次評価報告書 主執筆者。著書に「異常気象と人類の選択」「地球温暖化の予測は『正しい』か?」、共著書に「地球温暖化はどれくらい『怖い』か?」「温暖化論のホンネ」等。

掲載されている写真が、とても美しい本です。

これを眺めていると、こんな美しい地球を
守らなきゃという気持ちになることでしょう。

まずは、この本にたくさん掲載されている

写真を眺めるところから。

全体を理解することにこしたことはありませんが、
そうでなくて、自分の興味のあるところだけ、
見るのもよいと思います。

全体最適化がよいのか、
局所最適化がよいのか、
その場合の局所はどの範囲なのか、

とても悩ましい問題です。

誰かに正解を与えてもらうのではなく、
各自が考える必要のある課題ともいえます。

再生のための問いの1番目は、
「その行動はより多くの生命を生み出すのか?
それとも減らすのか?」
です。

この問いを頭の中に置いておきたいと思います。

再生とは

「再生(regeneration)」とは、
あらゆる行動や決定の中心に、
生命を据えることを意味します。

これはあらゆる創造物——
草地、農地、人間、森林、魚、湿地、
沿岸地帯、海洋―に適用されます。

そして、家族、コミュニティ、都市、学校、
宗教、文化、商業、政府に等しく適用されます。

自然と人類は、この上なく複雑な関係性の
ネットワークで成り立っています。

それがなければ、森林、土壌、海洋、
人間、国、文化は滅びます。

この地球も、若者たちも、
同じストーリーを伝えています。

それは、人間と自然の間で、また自然自体の中で、
さらには人々・宗教・政府・商業の間でも、
欠くことのできないつながりが
分断されているということです。

この分断が、気候危機を引き起こしており、
それこそが根源なのです。

そしてここにこそ、
所得や人種やジェンダーや信仰に関係なく、
すべての人を巻き込める解決策と行動が見つかるのです。

いまは歴史の重大な分岐点です。

気温が上昇している地球は、
私たちのコモンズ(共有地)です。

地球が私たちみんなを支えています。

気候危機に対処し逆転させるには、
つながりと互恵主義が求められます。

安全地帯から一歩踏み出し、
自分たちが持っていると思ってもみなかった
深い勇気を見い出すことが求められています。

気候危機は、科学の問題ではありません。

人間の問題です。

世界を変える究極の力は、
技術にあるわけではありません。

それは、私たち自身、すべての人々、
すべての生き物に対する畏敬や尊敬、思いやりに
かかっています。

これが「再生」です。

海洋・森林・野生生物・土地

■海洋 OCEANS
海洋保護区/海中植林/マングローブ/塩性湿地/海草/アカウキクサ

■森林 FORESTS
プロフォレステーション/亜寒帯林/熱帯林/新規植林/泥炭地/アグロフォレストリー(森林農法)/火災生態学/竹/『オーバーストーリー』のパトリシア・ウェスターフォード、リチャード・パワーズ

■野生生物 WILDING
栄養カスケード/放牧生態学/野生生物の回廊(コリドー)/『英国貴族、領地を野生に戻す』 イザベラ・トゥリー/草地/ポリネーターの再野生化/湿地/ビーバー/バイオリージョン/野生の生き物 カール・サフィナ

■土地 LAND
環境再生型農業/有畜農業/劣化した土地の回復/堆肥(コンポスト)/ミミズ養殖/雨を降らせる/バイオ炭(バイオチャー)/ヨシキリのさえずり チャールズ・マッシー

Regeneration リジェネレーション

掲載されている写真が、とても美しい本です。

これを眺めていると、こんな美しい地球を
守らなきゃという気持ちになることでしょう。

私自身は、気候危機を防ぐという観点でみると、
まだまだ努力が必要だと認識しています。

自分自身に喝を入れるつもりで、
この本を手に取りました。

まずは、この本にたくさん掲載されている
写真を眺めるところから。

一緒に見出しも目に入ります。

すでに課題だと認識していたことも、
もちろんありますが、
初めて知ることもありました。

全体を理解することにこしたことはありませんが、
そうでなくて、自分の興味のあるところだけ、
見るのもよいと思います。

私は、昨夏、コンポストに挑戦したのですが、
すぐに課題にぶつかりました。

私の生活環境では、
堆肥の作成スピードに、堆肥の使用スピードが
まったくついていかないのです。

プランター5つでは、
私たち家族の消費から生み出される堆肥は、
活用しきれないのです。

また、質のよい堆肥を作り出すには、
まだまだ試行錯誤が必要です。

そして、これを土に戻さないのは、
本当にもったいないことだと思います。

社会全体としてまだまだリサイクルできます。

そして、昨年の春にプランターに2匹だけいたミミズが、
今年の春には、何十匹にも増えていました。

ミミズのいるプランターの土は、
とても豊かな土になります。

ミミズ養殖という章を見て、
ミミズの働きについて、改めて知りました。

ミミズは有毒物質や、有害な細菌、
鉛やカドミウムなどの重金属を
土壌から取り除き、
そのフンには金属が含まれていないとのこと。

どういう仕組みなのでしょうか??

すごいですね。

あなたは、どんな地球環境を、次世代に残したいですか。

20220522 Regeneration リジェネレーション 再生 気候危機を今の世代で終わらせる(1)vol.3416【最幸の人生の贈り方】

人々・都市・食・エネルギー・産業

■人々 PEOPLE
先住性/ヒンドゥ・ウマル・イブラヒム/農場としての森林 ライラ・ジューン・ジョンストン/女性と食べ物/ソウル・ファイヤー・ファーム リア・ペニマン/クリーンな調理コンロ/女児の教育/地球にやさしい再生活動(ARK)メアリー・レイノルズ/ビンテージワインのブドウ踏みをしてるのは誰? ミミ・キャスティール/慈善団体は気候非常事態を宣言すべき エレン・ドーシー

■都市 THE CITY
ネット・ゼロ都市/建物/都市農業/都市の自然/マイクロモビリティ(超小型モビリティ) /15分都市/カーボンアーキテクチャ

■食 FOOD
何も無駄にしない/主に植物を食べる/ローカル化/脱コモディティ化/昆虫の絶滅/木を食べる/私たちは天候だ ジョナサン・サフラン・フォア

■エネルギー ENERGY
風力/ソーラー/電気自動車/地熱/すべてを電化する/エネルギー貯蔵/マイクログリッド

■産業 INDUSTRY
巨大フードビジネス/ヘルスケア産業/金融業/軍事産業/政治産業/衣料産業/プラスチック産業/貧困産業/オフセットからオンセットへ

興味深い内容が満載です。

都市の自然で紹介されていた
イタリアの建築家、ステファノ・ボエリ氏が
とても気になりました。

「垂直の森」を設計し、
最初はミラノで19階建てと27階建ての
タワーマンションに800本の中高木、
5000本の低木、
1万5000本のつる植物や多年生植物が
植えられ、建物全体が植物の覆われています。

この植栽は、専門家がすべてメンテナンスし、
住民は水やりもやってはいけないとのこと。

そしてこの「垂直の森」は、四川省で真似され、
高級マンションとして売り出されたものの、
管理体制がずさんで、
蚊が大量発生し、完成2年で826戸中、
住むのは10世帯になってしまったそうです。

自然との共生は、人間が思ったとおりには
なかなかいかないものです。

食に関しては、
グローバル化のおかげで、
世界から食物を取り寄せられるようになりましたが、
流通にもエネルギーが使われることを考えると、
地産地消が環境にやさしいことは明らかです。

とはいえ、
食卓にあるバナナは、エクアドル産。
と、遠い、、、

毎日食べている晩柑は、愛媛産。

全体最適化がよいのか、
局所最適化がよいのか、
その場合の局所はどの範囲なのか、

とても悩ましい問題です。

誰かに正解を与えてもらうのではなく、
各自が考える必要のある課題ともいえます。

再生のための問いの1番目は、
「その行動はより多くの生命を生み出すのか?
それとも減らすのか?」
です。

この問いを頭の中に置いておきたいと思います。

あなたのその行動はより多くの生命を生み出すものですか?

20220523 人々・都市・食・エネルギー・産業_Regeneration(2)vol.3417【最幸の人生の贈り方】

この記事は、メルマガ記事から一部抜粋し、構成しています。

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