毎日配信している、メルマガ『最幸の人生の贈り方』でとりあげた回数の多い順9冊と、回数は多くないけれど特におすすめの1冊を選びました!
人体大全 なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか(17)
人体大全 なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか
The Body: A Guide for Occupants
ビル・ブライソン(著)、 桐谷知未(翻訳)
新潮社; New版 (2021/9/16)
ビル・ブライソン Bill Bryson
1951年、アイオワ州デモイン生れ。イギリス在住。幅広いテーマでベストセラーのあるノンフィクション・ライター。主な著書に『英語のすべて』、『アメリカ語1・2』、『究極のアウトドア体験』、『ドーナッツをくれる郵便局と消えゆくダイナー』、『人類が知っていることすべての短い歴史』、『シェイクスピアについて僕らが知りえたすべてのこと』、『アメリカを変えた夏』などがある。王立協会名誉会員。これまで大英帝国勲章、アヴェンティス賞(現・王立協会科学図書賞)、デカルト賞(欧州連合)、ジェイムズ・ジョイス賞(アイルランド国立大学ダブリン校)、ゴールデン・イーグル賞(アウトドア・ライターならびに写真家組合)などを授与されている。
人間の体について、最新わかったこと、
まだわからないことが、いろいろな観点から
まとめられていました。
この分野は定期的に知識を更新する必要があると
痛感しました。
20211030 人体大全ーなぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか(1)vol.3213
20211031 皮膚は人体最大の器官人体大全(2)vol.3214
20211101 まだまだ知られていない微生物人体大全(3)vol.3215
20211102 脳ほどあてにならないものはない人体大全(4)vol.3216
20211103 視覚・聴覚・嗅覚人体大全(5)vol.3217
20211104 日本で発見されたうま味人体大全(6)vol.3218
20211105 心臓と血液の働き人体大全(7)vol.3219
20211106 まだまだわかっていないホルモン人体大全(8)vol.3220
20211107 骨と筋肉人体大全(9)vol.3221
20211108 免疫系人体大全(10)vol.3222
20211109 食事と栄養人体大全(11)vol.3223
20211110 胃腸人体大全(12)vol.3224
20211111 睡眠人体大全(13)vol.3225
20211112 男女の違い人体大全(14)vol.3226
20211113 よい痛みと無意味な痛み人体大全(15)vol.3227
20211114 感染症・がん・ワクチン・検査人体大全(16)vol.3228
20211115 老化・認知症・死人体大全(17)vol.3229
■脳ほどあてにならないものはない
両目が毎秒一千億の信号を脳に送り込んでいる。
しかしそれは、物語の一面にすぎない。
あなたが何かを〝見る〟とき、
視神経から伝わるのは、
その情報のわずか十パーセントほどだ。脳の他の部分は、その信号を分解して、
顔を識別し、動きを解釈し、
危険を特定する必要がある。視覚入力があるたびに、
わずかだがそれとわかるだけの時間──
約二百ミリ秒、つまり五分の一秒──をかけて、
情報が視神経を通って脳に伝わり、
処理と解釈が行なわれる。五分の一秒は、すばやい対応が必要なときには
ささいな時間とはいえない──
たとえば、迫りくる車をよけるときや、
頭への一撃から逃げるとき。絶えず今から五分の一秒後に
世界がどうなるかを予測し、
それを現在として提示するのだ。つまり、今この瞬間も、
わたしたちはありのままの世界を見てはおらず、
ほんのわずかだけ未来にあるはずの世界を見ている。言い換えれば、わたしたちは
人体大全
まだ存在していない世界を生きながら、
一生を送るのだ。
- あなたの心臓は、1日に何回鼓動していますか。
- あなたは、皮膚の働きについて、どのように学んできましたか。
- あなたは、自分の体内の微生物とどのようにつきあっていますか。
- あなたが、脳内でよく組み立てているストーリーはなんですか。
- あなたが、好きな香りは、どんな香りですか。
- あなたは、おいしく食べるために、どのように食材を選び、どのように調理していますか。
- あなたは、自分の血液について、どんなことをご存知ですか。
- あなたは、どの内臓やホルモンの働きに興味がありますか。
- あなたは、1日にどれくらい歩いていますか。どれくらい座っていますか。
- あなたは、熱が出たときには、どう対処していますか。
- あなたは、食事の何にこだわっていますか。
- あなたの腸内環境は、良好ですか。
- あなたは、睡眠について、どんなこだわりをもっていますか。
- あなたは、男女の違いについて、どれくらい認識していますか。
- あなたにとって、耐えられない痛みはどういう痛みですか。
- あなたは、健康診断の結果をどのように見ていますか。
- あなたの今のライフスタイルは、あなたらしい生き方にあっていますか。
NOISE 組織はなぜ判断を誤るのか?(11)
NOISE 組織はなぜ判断を誤るのか?
Noise: A Flaw in Human Judgment
ダニエル・カーネマン(著), オリヴィエ・シボニー(著), キャス・R・サンスティーン(著), 村井 章子(翻訳)
早川書房 (2021/12/2)
ダニエル・カーネマン Daniel Kahneman
1934年生まれ、認知心理学者。プリンストン大学名誉教授。専門は意思決定論および行動経済学。2002年にはノーベル経済学賞を受賞。著書に『ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る』、『ファスト&スロー――あなたの意思はどのように決まるか?』(早川書房刊)など。
オリヴィエ・シボニー Olivier Sibony
フランスHEC経営大学院教授。25年にわたって、パリとニューヨークでマッキンゼー・アンド・カンパニーのシニア・パートナーを務めた。著書に『賢い人がなぜ決断を誤るのか?――意思決定をゆがめるバイアスと戦う方法』など。
キャス・サンスティーン Cass R. Sunstein
1954年生まれ、ハーバード大学ロースクール教授。専門は憲法、法哲学、行動経済学など多岐におよぶ。オバマ政権では行政管理予算局の情報政策および規制政策担当官を務め、またバイデン政権では国土安全保障省の上級参事官に任命される。リチャード・セイラーとの共著『実践 行動経済学』は全米ベストセラーを記録。他の著書に『スター・ウォーズによると世界は』(早川書房刊)など。
村井章子
翻訳者。上智大学文学部卒業。主な訳書に、カーネマン『ファスト&スロー』(早川書房)、フリードマン『資本主義と自由』、スミス『道徳感情論』、バナジー&デュフロ『絶望を希望に変える経済学』など。
どうしてもシステム1思考、直感に頼りがちな私たちに、
バイアスだけでなく、ノイズを発生させることで、
エラーを多く作り出していることを
丁寧に説明しています。
刑事裁判、保険査定、人事評価、採用、医療など
本来、評価のばらつきが求められていない分野での
実態について、改めて考えることができました。
20211218 NOISE 組織はなぜ判断を誤るのか?(1)vol.3261
20211219 同じ犯罪でも異なる判決が下される_NOISE(2)vol.3262
20211220 保険会社の見積もりは大きなばらつきがある_NOISE(3)vol.3263
20211221 レベルノイズ・パターンノイズ・機会ノイズ_NOISE(4)vol.3264
20211222 集団がノイズを増幅するとき_NOISE(5)vol.3265
20211223 機械と人間のどちらの予測が正しいか_NOISE(6)vol.3266
20211224 なぜエグゼクティブは精度の低い直感に基づくのか_NOISE(7)vol.3267
20211225 過剰な一貫性とストーリーがまちがいを生み出す_NOISE(8)vol.3268
20211226 的中率の高い超予測者の特徴とは_NOISE(9)vol.3269
20211227 ノイズだらけの人事評価と採用面接_NOISE(10)vol.3270
20211228 どの程度のノイズなら容認できる?_NOISE(11)vol.3271
■レベルノイズ
レベルノイズは、
判断者ごとの判断の平均的なレベルの
ばらつきである
(たとえば厳しめの裁判官と甘めの裁判官)。■パターンノイズ
パターンノイズは、
特定のケースにおける判断者の反応の
ばらつきである
(再犯者に厳しい、共犯者に甘い、など)。■機会ノイズの原因
プロフェッショナルといえども
二回機会を与えられた場合に、
同じ事実に対してまったく同じ判断を
二度目も下すことはまずできない。機嫌のいいときは相手の言い分を認めやすく
寛大になり人助けに積極的になる、等々。機嫌の悪いときはその逆である。
ご機嫌な人は自分の抱いた第一印象を
あまり疑いもせず受け入れてしまう傾向がある。人間はご機嫌だとデタラメを受け入れやすくなり、
また全般的にだまされやすくなる。つまり、つじつまの合わないところを探し出したり、
噓を見抜いたりする気がなくなってしまう。逆に何らかの事件の目撃者は、
NOISE 組織はなぜ判断を誤るのか?
機嫌の悪いときは偽情報に接してもしっかり見抜き、
誤った証言をせずに済む。
- あなた自身の判断に一貫性がないと感じるのは、どんなときですか。
- あなたは、刑事裁判の判決に対して、どれくらいのばらつきだったら、許容できますか。
- あなたの身の回りで、システムノイズがあってはならないと考えるのは、どんなことですか。
- あなたの過去の経験で、一貫性が必ずしもないと考えられる判断にどんなものがありますか。
- 議論の結果、あなたが思っていたのとまったく反対の結論になったのはどういうときですか。
- あなたは、予測する時にどんな手段を用いていますか。
- あなたは、どんなときに自分の直感を優先しますか。
- あなたの人生を、幸福なイベントだけと不幸なイベントだけで紡いだ時に、それぞれどのような違いのストーリーが見えますか。
- あなたは、予測する時に、自分の直観に反する見方をどのように探していますか。
- あなたは、自分と他人を評価するときに、どのような基準を使っていますか。
- あなたは、どの程度のノイズなら容認できますか。
Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章(10)
Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章
Humankind: A Hopeful History
ルトガー・ブレグマン(著), 野中 香方子(翻訳)
文藝春秋 (2021/7/27)
ルトガー・ブレグマン Rutger Bregman
ルトガー・ブレグマンは、オランダ出身の歴史家でジャーナリストでノンフィクション作家だ。二〇一四年に弱冠二六歳で出版した「Utopia for Realist」はオランダでベストセラーになり、世界二〇カ国で翻訳出版された。邦訳の『隷属なき道:AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働』(文藝春秋二〇一七年)は、二〇一八年ビジネス書大賞・準大賞を受賞している。
前作、『隷属なき道』もよい本でした。
まだ著者は30代前半。
大御所の主張を次々に論破していくのは、
若さも大いに貢献していると思います。
今後の著作も楽しみにしています。
20210802 Humankind_希望の歴史_人類が善き未来をつくるための18章(1)vol.3123
20210803 プラセボ効果とノセボ効果_Humankind_希望の歴史(2)vol.3124
20210804 『暴力の人類史』の誤り_Humankind_希望の歴史(3) vol.3125
20210805 狩猟採集社会から定住生活で得たもの、失ったもの_Humankind_希望の歴史(4) vol.3126
20210806 ジャレド・ダイアモンドの誤り_Humankind_希望の歴史(5)vol.3127
20210807 有名な心理実験の嘘の数々_Humankind_希望の歴史(6) vol.3128
20210808 共感はわたしたちの寛大さを損なう_Humankind_希望の歴史(7) vol.3129
20210809 権力は脳を変える_Humankind_希望の歴史(8) vol.3130
20210810 ピグマリオン効果とゴーレム効果_Humankind_希望の歴史(9)vol.3131
■人生の指針一〇か条
Humankind 希望の歴史
●1 疑いを抱いた時には、最善を想定しよう
●2 ウィン・ウィンのシナリオで考えよう
●3 もっとたくさん質問しよう
●4 共感を抑え、思いやりの心を育てよう
●5 他人を理解するよう努めよう。たとえその人に同意できなくても
●6 他の人々が自らを愛するように、あなたも自らを愛そう
●7 ニュースを避けよう
●8 ナチスを叩かない
●9 クローゼットから出よう。善行を恥じてはならない
●10 現実主義になろう
- あなたは、どんなときに群衆がパニックになると考えますか。
- あなたは、見知らぬ人から親切にされたことはありますか。親切にしたことはありますか。
- あなたは、先史時代の生活について、どのように想像していますか。
- あなたは、次世代に何を残したいですか。何を残したくないですか。
- あなたが、イースター島の歴史から学ぶことはなんですか。
- あなたは、これらの心理実験から、どんなことを学びますか。
- あなたは、共感が寛大さを損なっている事例を思いつきますか。
- あなたは、自分が権力をもつ立場になったときに、どんな思考が変わったと感じましたか。
- あなたは、自分にもまわりにも、よい期待をいだいていますか。
- あなたは、どんな人に囲まれた人生を送りたいですか。
自由になるための技術 リベラルアーツ(9)
自由になるための技術 リベラルアーツ
山口 周(著)
講談社 (2021/3/3)
山口 周(やまぐち しゅう)
著作家・パブリックスピーカー・経営コンサルタントである。「ナレッジキュレーター」。株式会社ライプニッツ代表。
唯一、同じ著者で2冊入っています。
専門化が行き過ぎたゆえに、
リベラルアーツはより一層重要になっていると
考えます。
自分自身が自由になるための武器として、
誰もが身につけておくことが
重要だと思います。
20210406 自由になるための技術 リベラルアーツ(1)vol.3005
20210407 イギリスと日本、京都と東京_自由になるための技術(2)vol.3006
20210408 日本再生のカギとは_自由になるための技術(3)vol.3007
20210409 今の日本人はなぜ未来を見ることが得意ではないのか_自由になるための技術(4)vol.3008
20210410継続して成果を出すリーダーに共通の能力とは_自由になるための技術(5)vol.3009
20210411 合理的な個人が生み出す日本型組織の非合理_自由になるための技術(6)vol.3010 20210412 幸福な組織に見られる四つの特徴_自由になるための技術(7)vol.3011
20210413 パンデミック後に訪れるもの_自由になるための技術(8)vol.3012
20210414 金利はなぜプラスなのか_自由になるための技術(9)vol.3013
■リベラルアーツは常識の正体を見破る
自らのコナトゥスを発動させるためには、
自分がいま、どんな常識やシステムに囚われているのか、
それを見極めることが大切になります。そのためには、物事を相対化させ、
複眼的に見ることが重要ですが、
そこで非常に有効なのがリベラルアーツです。質的な意味を設定するためには、
自由になるための技術 リベラルアーツ
より大きな価値の連鎖として、
いま自分たちがやっている仕事が
「世の中」のどういう意味につながっているのか、
そこにどうやったら貢献できるのか、
自分の中に広い世界観を持ち、
高い視座から考えていくことが必要です。
- あなたのいまの仕事は、「世の中」のどういう意味につながっていますか。
- あなたは、未来の日本に、どのような文化を作っていきたいですか。
- あなたが考える、日本再生のカギとはなんですか。
- あなたは、自分が死んだ後の未来について、どう考えますか。
- あなたは、自分をふりかえる習慣をどのように作っていますか。
- あなたは、大切な判断の価値基準をどうやって決めていますか。
- あなたのまわりは、ハッピーに働いていますか。
- あなたは、パンデミックの後に、どんな世界を残したいですか。
- あなたが当たり前だと思っていることは、どんなことですか。
繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(9)
繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史
The Rational Optimist: How Prosperity Evolves
マット・リドレー(著), 大田直子(翻訳), 鍛原多惠子(翻訳), 柴田裕之(翻訳)
早川書房 (2013/7/15)
マット・リドレー Matt Ridley
1958年、英国ノーサンバーランド生まれ。オックスフォード大学モードリン・カレッジを首席で卒業後、同大で博士号(動物学)を取得。その後「エコノミスト」紙の科学記者を経て、英国国際生命センター所長、コールドスプリングハーバー研究所客員教授を歴任。英国王立文芸協会フェロー、オックスフォード大学モードリン・カレッジ名誉フェロー。 リチャード・ドーキンスらと並ぶ科学啓蒙家として世界的に著名で、その執筆活動により全米科学アカデミー図書賞、デイヴィス賞を受賞。著作は27カ国語に翻訳されており、『ゲノムが語る23の物語』『やわらかな遺伝子』は各国でベストセラーになった。他の著作に『赤の女王』『徳の起源』など。2010年7月にはオックスフォードで開かれたTEDグローバルに登壇し、喝采を浴びた。
大田直子(おおた・なおこ)
翻訳家。東京大学文学部社会心理学科卒。訳書にオレル『明日をどこまで計算できるか?』(共訳)、グリーン『隠れていた宇宙』、ドーキンス他『ドーキンス博士が教える「世界の秘密」』、他。
鍛原多惠子(かじはら・たえこ)
翻訳家。米国フロリダ州ニューカレッジ卒(哲学・人類学専攻)。訳書にアッカーマン『からだの一日』、マーカス『脳はあり合わせの材料から生まれた』、オレル『明日をどこまで計算できるか?』、スピーロ『ポアンカレ予想』(共訳、以上早川書房刊)他。
柴田裕之(しばた・やすし)
翻訳家。早稲田大学・Earlham College卒。訳書にウィンチェスター『世界の果てが砕け散る』『クラカトアの大噴火』、ギンガリッチ『誰も読まなかったコペルニクス』、タッジ『ザ・リンク』ハンフリー『ソウルダスト』、他。
ランキングに入った本で、
今年発刊された本でないのは、
この本だけです。
しかしながら、人類10万年史をとりあげていて、
数年で色褪せる内容ではありません。
これからも繁栄するために、
人類史からの学びは必要だと考えます。
20210415 繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史_前例なき現在(1)vol.3014
20210416 物々交換と集団的頭脳による進化_繁栄(2)vol.3015
20210417 自由や幸福は何によって得られてきたか_繁栄(3)vol.3016
20210418 90億人を養い、自然を取り戻す方法_繁栄(4)vol.3017
20210419 1950年に1000年当時よりも貧しかった世界で唯一の地域とは_繁栄(5)vol.3018
20210420 都市に住むか田舎に住むか_繁栄(6)vol.3019
20210421 人口の増減と仕事の専門化の関係とは_繁栄(7)vol.3020
20210422 奴隷を解放したものとは_繁栄(8)vol.3021
20210423 現代の二大悲観主義_繁栄(9)vol.3022
■二〇世紀
二〇世紀は、人びとを豊かにする一方で
サービスを安価にすることで、
金持ちの特権をすべての人が
享受できるようにした時代だったのだ。■二一世紀
私は二一世紀にはカタラクシー――
交換と専門化によって
自発的に起きる秩序を指すハイエクの造語――
が拡大し続けると予測する。知性はより集団的となり、
イノベーションと秩序はよりボトムアップになり、
仕事はより専門化し、余暇がより多様化する。かつて中央計画を推進した諸官庁のように、
大企業や政党、政府官僚は崩壊し分割されるだろう。ボトムアップの世界が今世紀の合言葉となる。
繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史
- あなたは、どんな役割を楽しんでいますか。
- あなたは、自分の技術の何を次の世代に伝えていきたいですか。
- あなたのまわりには、信頼できるひとがたくさんいますか。
- あなたは、食生活を支えるためにどのような方法がよいと考えますか。
- あなたは、交易について、どうあるのが地域のため、世界のためになると考えますか。
- あなたは、どんな環境で暮らしたいですか。
- あなたは、どんなことに集中するのが自分らしい生き方につながると考えますか。
- あなたが、子ども時代に比べて、便利になったと感じているものはなんですか。
- あなたは、21世紀がどんな世紀になると期待していますか。
LIFE SHIFT2―100年時代の行動戦略(9)
LIFE SHIFT2―100年時代の行動戦略
The New Long Life: A Framework for Flourishing in a Changing World
アンドリュー・スコット(著), リンダ・グラットン(著), 池村 千秋(翻訳)
東洋経済新報社 (2021/10/29)
アンドリュー・スコット Andrew J. Scott
ロンドン・ビジネス・スクール経済学教授、スタンフォード大学ロンジェビティ(長寿)センター・コンサルティング・スカラー。ハーバード大学とオックスフォード大学にも籍を置いていた。彼の研究や著作、教育は複数の賞を受賞しており、私たちの世界を再構築するような深層変化と、個人や社会のさらなる繁栄にとって必要な行動について、世界に向けて情報を発信している。さまざまな企業や政府機関の役員、顧問も務める。ロンジェビティ・フォーラム共同設立者であり、英国予算責任局のアドバイザリーボードと英国内閣府の栄誉委員会のメンバーも務める。邦訳された著書に『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(リンダ・グラットンとノ共著)がある。
リンダ・グラットン Lynda Gratton
ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授。2015年に同校の卓越教育賞(Excellence in Teaching Award)を受賞。彼女の担当する講座「フューチャー・オブ・ワーク」は高い評価を得ている。世界経済フォーラムの「新しい教育と仕事のアジェンダに関する評議会」の責任者を務めており、同フォーラムのダボス会議にも2013年から参加している。世界で最も権威ある経営思想家ランキングであるThinkers50では、世界のビジネス思想家トップ15にランクインしており、2018年には安倍晋三元首相から「人生100年時代構想会議」のメンバーに任命された。彼女の著作は20を超える言語に翻訳されており、『ワーク・シフト』や、アンドリュー・スコットとの共著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』は日本でベストセラーとなった。
池村 千秋 いけむら ちあき
翻訳家。訳書にグラットン&スコット『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』、グラットン『ワーク・シフト』、ボネット『WORK DESIGN』、ミンツバーグ『これからのマネジャーが大切にすべきこと』『私たちはどこまで資本主義に従うのか』、キーガンほか『なぜ人と組織は変われないのか』、スタンディング『ベーシックインカムへの道』他多数。
多くの人が人生を100年生き延びることが
できる時代を迎えています。
以前には考えられなかった、
長生きするリスクを考える必要があるのです。
20211116 LIFE SHIFT2―100年時代の行動戦略(1)vol.3230
20211117 高齢化社会へLIFE SHIFT2(2)vol.3231
20211118 人間としての可能性の開花の3つの要素_LIFE SHIFT2(3)vol.3232
20211119 自分の人生の物語を紡ぐ_LIFE SHIFT2(4)vol.3233
20211120 キャリアの選択と移行_LIFE SHIFT2(5)vol.3234
20211121 結婚・出産・コミュニティ_LIFE SHIFT2(6)vol.3235
20211122 企業の課題_LIFE SHIFT2(7)vol.3236
20211123 教育機関の課題_LIFE SHIFT2(8)vol.3237
20211124 政府の課題_LIFE SHIFT2(9)vol.3238
マルチステージの人生の各ステージで、
LIFE SHIFT2―100年時代の行動戦略
幸福を高めるために必要な資源を
どのようにはぐくむべきかを考える必要がある。
この点を軽んじてはならない。
あるステージではぐくんだ資源は、
あとのステージに持ち越されるからだ。
そうした資源のひとつが金であることは言うまでもない。
しかし、金がつねに最も重要な資源だとは限らない。
時期によっては、学びのために金と時間を費やしたり、
友人やパートナーとの関係を充実させるために
余暇時間を活用したりすることが、
老後の生活を豊かにするための最善策である場合もある。
長い人生を生きるうえでは金銭面の安定も重要だが、
将来の生活資金を確保すること以外の活動が
もたらす恩恵も見落としてはならない。
人生の目的の追求や、さまざまな活動への参加、
健康、パートナーとの関係といった要素のことだ。
お金の面で未来の自分を
苦境に立たせるような行動は避けるべきだが、
それと同じくらい、
ほかの活動をないがしろにして
未来の自分を困った状況に追いやることも
避けなくてはならない。
資金計画が人生のストーリーを牽引するだけでなく、
人生のストーリーが資金計画を牽引するようにも
すべきなのである。
- あなたは、パンデミックで何が大きく変わりましたか。
- あなたの80歳以降の理想のライフスタイルは、どんな生活ですか。
- あなたは、20歳の自分に何をアドバイスしますか。
- あなたは、30年後の自分から、どんなアドバイスをもらいますか。
- あなたは、人生の局面をどう考えていますか。それぞれの局面で達成したいことはなんですか。
- あなたは、家事をどのように分担していますか。
- あなたは、企業の人事制度に何を求めますか。
- あなたは、年にどれぐらいの時間をかけて、学習していますか。
- あなたは、長生きすることによって、何が一番不安ですか。
ビジネスの未来―エコノミーにヒューマニティを取り戻す(8)
ビジネスの未来―エコノミーにヒューマニティを取り戻す
山口 周(著)
プレジデント社 (2020/12/21)
山口 周 Shu Yamaguchi
1970年東京都生まれ。独立研究者、著作家、パブリックスピーカー。ライプニッツ代表。
慶應義塾大学文学部哲学科、同大学院文学研究科美学美術史専攻修士課程修了。電通、ボストン コンサルティング グループ等で戦略策定、文化政策、組織開発などに従事。『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書)でビジネス書大賞2018準大賞、HRアワード2018最優秀賞(書籍部門)を受賞。その他の著書に、『劣化するオッサン社会の処方箋』『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』『外資系コンサルの知的生産術』『グーグルに勝つ広告モデル』(岡本一郎名義)(以上、光文社新書)、『外資系コンサルのスライド作成術』(東洋経済新報社)、『知的戦闘力を高める 独学の技法』『ニュータイプの時代』(ともにダイヤモンド社)、『武器になる哲学』(KADOKAWA)など。神奈川県葉山町に在住。
日本が迎えている、成熟社会へのヒントが
満載でした。
成長ありきではなく、高原状態で、
どうあるのかを考える時代に
私たちはいると思います。
20210122 ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す(1) vol.2931
20210123 日本がこの30年になしとげたことビジネスの未来(2) vol.2932
20210124 「成長・成長」は「信仰」と同じビジネスの未来(3) vol.2933
20210125 高原状態で目指す方向・目指さない方向ビジネスの未来(4) vol.2934
20210127 バリューチェーンからバリューサイクルへビジネスの未来(6) vol.2936
20210128 ベーシックインカムで得られることとはビジネスの未来(7) vol.2937
20210129 これからの社会への4つの提案ビジネスの未来(8) vol.2938
■ これからの社会への4つの提案
高原社会を実現するに当たって、
これだけはお伝えしておきたい、
と思われるいくつかの提案を
ごく手短に挙げて終わりにしたいと思います。■ 1.社会構想会議の設立
一つ目として提案したいのが
「小さなアメリカ」の代わりとなる、
新しい社会ビジョンを構想する
社会的システムおよびプロセスの実装です。■ 2.ソーシャル・バランス・スコアカードの導入
高原社会が「誰もが生き生きとして、
自分らしさを発揮できる仕事に就いて、
健康で文化的に充実した人生を送ることができる社会」
として構想するのであれば、
その社会指標には、次のような
「フローとストック」
「質と量」
「短期と中長期」
に関する項目が含まれていなければならないと思います。■ 3.租税率の見直し
租税率の見直しとは要するに
「税金を上げろ」ということです。日本の国民負担率は諸外国と比較して
決して高い水準にあるわけではなく、
OECD加盟 36 カ国のうち、
8番目に国民負担率の低い国となっています。幸福度ランキングの上下と国民負担率の高低には
ほとんど関係がなく、
特に幸福度ランキ ングの高い国は
おしなべて国民負担率の高い国です。国民負担率を高めることで得られる二つ目の効果は
「お金のためにあくせく働いても仕方がない」
という価値観を広められる、ということです。■ 4.教育システムの再設計
もし私たちが「成熟の明るい高原」のような社会を
ビジネスの未来―エコノミーにヒューマニティを取り戻す
作りたいのであれば、まず必要になるのは、
「いまここにいる私」によって
問題の多くが引き起こされている以上、
革命もまた「いまここにいる私」から
始められなければならないという意識を
もつことでしょう。
- あなたは、低成長に閉塞感を感じていますか、成熟を感じていますか。
- あなたとあなたの周りの人は、物質的満足度についてどう感じていますか。
- あなたにとっての豊かさとは、なんですか。
- あなたは、自分の思考と行動をどの方向を目指して変えていきたいですか。
- あなたが、仕事でもっともうれしかった報酬はなんですか。
- あなたは、「生きるに値するいい社会」とは、どのような社会だと考えますか。
- あなたの考え方が今の社会にそのまま反映されているとしたら、どの考え方を変えたいと考えますか。
ヒトはなぜ「がん」になるのか(8)
ヒトはなぜ「がん」になるのか; 進化が生んだ怪物
Rebel Cell: Cancer, Evolution and the Science of Life
キャット・アーニー(著), 矢野真千子(翻訳)
河出書房新社 (2021/8/24)
キャット・アーニー Kat Arney
サイエンス・ライター。ケンブリッジ大学で発生遺伝学の博士号を取得。『ワイアード』『BBCオンライン』『ネイチャー』などのメディアに寄稿。著書に『ビジュアルで見る 遺伝子・DNAのすべて』など。
矢野真千子 やのまちこ
翻訳家。訳書に『解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯』『感染地図』『植物はそこまで知っている』『完治』『あなたの体は9割が細菌』『子どもができて考えた、ワクチンと命のこと。』など多数。
生物の進化という新たな視点から、
がんをとらえることができ、
非常に興味深かったです。
また、標的を正確にすることで、
抗生物質と同じ経緯をたどることのリスクを
訴えていることも、
心に留めておきたいと思います。
20211125 ヒトはなぜ「がん」になるのか_進化が生んだ怪物(1)vol.3239
20211126 がんになりやすい動物・なりにくい動物_ヒトはなぜ「がん」になるのか(2)vol.3240
20211127 がん細胞で活性化する遺伝子と休眠する遺伝子_ヒトはなぜ「がん」になるのか(3)vol.3241
20211128 がんを引き起こすもの_ヒトはなぜ「がん」になるのか(4)vol.3242
20211129 ペニシリンとがん分子標的薬の共通の失敗_ヒトはなぜ「がん」になるのか(5)vol.3243
20211130 免疫とがん、がんの転移_ヒトはなぜ「がん」になるのか(6)vol.3244
■がん細胞で活性化する遺伝子と休眠する遺伝子
トリゴスは、がん細胞の中で最も活性化している遺伝子が
最も古い時代の遺伝子であることを見出した。最も古い時代の遺伝子とは、
細胞増殖やDNA修復といった基本機能を担う遺伝子で、
最初期の単細胞生物のころから存在している。一方、がん細胞の中でまったく活性化していない遺伝子は
最近になって出現した遺伝子だった。それは哺乳類にしか見られないか
多細胞動物にのみ存在しているような「若い」遺伝子で、
特殊な器官の作成や細胞間コミュニケーションなど、
より複雑な仕事を担っている。そして彼女は、これまでに調べたがん細胞がどれも等しく
「単細胞時代からの遺伝子が活発になり、
多細胞時代以降の遺伝子が休眠している」ことを見出した。がん細胞が細胞社会で定められていた仕事を放棄して、
利己的に自由にふるまっているということだ。多細胞時代以降にできたシステムを
ヒトはなぜ「がん」になるのか
休止させるよう進化したのである。
- あなたにとって、がんはどういう存在ですか。
- あなたは、がんにならないよう、気をつけている生活習慣はありますか。
- あなたは、多細胞と単細胞について、どのように感じますか。
- あなたは、どんなときに年のせいだと感じますか。
- あなたは、どんなときに、ランダムに試してみる戦略をとりますか。
- あなたは、腸内環境を保つためにどのような習慣を取り入れていますか。
- あなたは、どんなときに年のせいだと感じますか。
- あなたは、治療を選択するときに、医者からの情報以外に何を調べていますか。
- あなたは、がんについて、どのような存在としてとらえていますか。
コトラーのH2Hマーケティング 「人間中心マーケティング」の理論と実践(8)
コトラーのH2Hマーケティング 「人間中心マーケティング」の理論と実践
H2H Marketing: The Genesis of Human-to-Human Marketing
フィリップ・コトラー(著), ヴァルデマール・ファルチ(著), ウーヴェ・シュポンホルツ(著), 鳥山 正博 (監修, 解説), 大坂 裕子(翻訳), 石丸 由紀(翻訳)
KADOKAWA (2021/9/29)
フィリップ・コトラー Philip Kotler
現代マーケティングの第一人者。シカゴ大学で経済学の修士号、マサチューセッツ工科大学で経済学の博士号を取得。その後、ハーバード大学で数学、シカゴ大学で行動科学の研究活動に従事。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院の特別教授も務めた。世界中の経営学大学院で取り入れられる『マーケティング・マネジメント』をはじめ、著書多数。活躍の場は学術界にとどまらず、IBM、GM、AT&Tなど、世界中の多くの企業の競争力強化にも努めてきた。
ヴァルデマール・ファルチ Waldemar Pfoertsch
プフォルツハイム大学(ドイツ)国際ビジネス教授のほか、マンハイム・ビジネススクール、ミュンヘン工科大学(ドイツ)、同済大学(上海)、インド経営大学カルカッタ校、ITM(スウェーデン)、ESAN(ペルー)などでB2Bマーケティングとブランド・マネジメントの講師を務める。アメリカ、ヨーロッパ、アジアの多くの企業でマーケティング・コンサルティング業務に関わってきた。
ウーヴェ・シュポンホルツ Uwe Sponholz
ヴュルツブルク・シュヴァインフルト応用科学大学(FHWS)でサービス・エンジニアリング、デザイン思考、B2Bマーケティングなどを指導するほか、インドのキリスト大学など多くの海外の大学でも教鞭を執っている。現在は、教職のほかに、経営学修士取得プログラムの管理職務にも就いている。長年にわたってデザイン思考のワークショップやコンサルティング業務に携わり、自身が設立したボディスタンス有限会社でH2Hマーケティングのコンセプトを実践している。
鳥山 正博
ICU卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、博士(工学、東工大2009)。1983年より2011年までNRIにて経営コンサルティングに従事。テクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域においてビジネスモデル特許出願多数。
20211210 コトラーのH2Hマーケティング 「人間中心マーケティング」の理論と実践(1)vol.3253
20211211 H2Hマーケティングの二層構造コトラーのH2Hマーケティング(2)vol.3254
20211212 デザイン思考コトラーのH2Hマーケティング(3)vol.3255
20211213 サービス・ドミナント・ロジックとデジタライゼーションコトラーのH2Hマーケティング(4)vol.3256
20211214 H2HマインドセットコトラーのH2Hマーケティング(5)vol.3257
20211215 ブランドと信用コトラーのH2Hマーケティング(6)vol.3258 20211216 H2HキャンバスコトラーのH2Hマーケティング(7)vol.3259
20211217 ディストピアとユートピア_コトラーのH2Hマーケティング(8)vol.3260
人間中心のマーケティングにおいて、
顧客との共創とサービスの重要性について
書かれているのが印象的でした。
- あなたは、消費者として、企業との関わり合い方で、以前と変わったと感じることはなんですか。
- あなたは、自分の仕事をどのような枠組みで構成していますか。
- あなたは、新しいことを始めるときに、どのようにプロトタイプで試していますか。
- あなたが使っているサービスは、どんなものがありますか。
- あなたが違和感を感じて、まわりに変えてもらった言葉はなんですか。
- あなたは、何をもって、信用をはかっていますか。
- あなたは、お客様と何を共創していきますか。
- あなたにとって、働くことは、どういう意味をもっていますか。
パウロ・コエーリョ 賢人の視点
パウロ・コエーリョ 賢人の視点
Like the Flowing River
Ser como el rio que fluye
パウロ・コエーリョ(著), 飯島英治(翻訳)
サンマーク出版 (2021/5/18)
パウロ・コエーリョ(Paulo Coelho)
1947年、ブラジル・リオデジャネイロ生まれ。
舞台監督や脚本家、ジャーナリスト、作曲家などさまざまな職を経たのち、作家となる。初めての小説『星の巡礼』を出版して以来、全世界で3億2000万部以上を売り上げている。83言語に訳され、170か国以上で出版された『アルケミスト』は、ブラジル史上最大のベストセラー。もっとも多くの言語に翻訳された存命の作家としてギネス記録をもつ。
世界経済フォーラム(WEF)のクリスタル賞、フランス政府からレジオン・ドヌール勲章、ガリシア・ゴールドメダルなどを授与され、2002年よりブラジル文学アカデミーのメンバー、2007年より国連ピース・メッセンジャー(平和大使)を務めている。
飯島英治(いいじま・えいじ)
英語翻訳家。東京を拠点に、これまでパリ、メルボルン、フィラデルフィアで暮らす。アメリカで大学を卒業後、日本で翻訳出版関係の仕事に就く。2015年にフリーランスとなり、英語記事の翻訳や、書籍の編集、翻訳著作権に関わる業務などをおこなう。
20210627 パウロ・コエーリョ 賢人の視点 vol.3087
■どんな葬儀を望むのか
わたしたちの誰もがみんな
「死の瞬間」へと向かっている。だが死がいつ訪れるのかを知る者はいない。
だからこそ周囲に気を配りながら、
「この瞬間」に感謝して過ごす義務が
わたしたちにはあるのだ。同時に、死に対しても感謝しなければならない。
なぜなら死こそが、
わたしたちがこの生を営むなかでおこなう、
もしくはおこなうことができなかった
決断の大切さについて
考えさせてくれるものだからだ。だからこそ自分たちが「生ける屍」として
囚われてしまうことのないよう、
人生のすべてを賭けて、
ずっとやりたかった物事に挑まざるを得ない。好むと好まざるとにかかわらず、
パウロ・コエーリョ 賢人の視点
死の天使はわたしたちのことを
待ち受けているのだから。
- あなたは、どんな葬儀を望みますか。
人生はいつだって、2度目のチャンスを与えてくれるものなのだ
今朝、朝食をとったあとに、読み始め、
一気に読了しました。
『アルケミスト』の著者で知られる、
パウロ・コエーリョの85編からなるエッセイです。
途中、涙がこぼれたきた箇所が
いくつもありました。
愛とやさしさにあふれた文章が
次々とくりだされています。
スペインで物乞いにお金を渡さなかったことを悔やみ、
ブラジルに帰ったあと、
再度、スペインを訪れる話。
教会の神父が出版した本をその場で買わなかったことを
悔やみ、後年、再度教会を訪れた話。
「人生はいつだって、
2度目のチャンスを与えてくれるものなのだ」
そして、
二人の息子を交通事故で失ったラビの夫婦の話。
心の片隅にひっかかったトゲのようなものを
丹念にひろいあげ、
後悔したことをきちんとやり直していくことで、
著者が、丁寧に人生を生きていることが
伝わってきました。
そして、30年仕事人生に明け暮れ、
その後の退職した自由な時間を持て余す人の話。
人生とは、どう生きても自由ではありますが、
どう生きるのか、
そんなことを深く考えることのできる
すばらしい本でした。
朝から魂と語り合う時間ができて、
本当によかったです。
ぜひ、手にとって読んでみてください。