むかしむかし あるところにウェルビーイングがありました 日本文化から読み解く幸せのカタチ

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むかしむかし あるところにウェルビーイングがありました 日本文化から読み解く幸せのカタチ
石川善樹(著)、吉田尚記(著)
KADOKAWA (2022/1/28)

石川善樹 いしかわ・よしき
予防医学研究者、医学博士。1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。公益財団法人Wellbeing for Planet Earth代表理事。「人がよく生きる(Good Life)とは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的研究を行う。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、概念進化論など。近著は、『フルライフ』(NewsPicks Publishing)、『考え続ける力』(ちくま新書)など。

吉田尚記 よしだ・ひさのり
1975年東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。ニッポン放送アナウンサー。2012年に第49回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞。「マンガ大賞」発起人。ラジオ『ミューコミVR』(ニッポン放送)、『二次元領域拡大通信』(BSフジ)等のパーソナリティを務める。マンガ、アニメ、アイドル、デジタル関係に精通し、常に情報を発信し続けている。主な著書に『元コミュ障アナウンサーが考案した 会話がしんどい人のための話し方・聞き方の教科書』(アスコム)、『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版)がある。

昔話のスキームが自分には当たり前すぎて、
不思議に思わなかったものが、
外から眺めるという視点をもってみると、
確かにおもしろいです。

日本文化ならではのものの見方について、
改めて気づくことができます。

むかしむかし あるところにウェルビーイングがありました 日本文化から読み解く幸せのカタチ

■日本の文化と風土を前提にしたウェルビーイングへの道とは

現代を生きる私たちのウェルビーイングに
還元できるのは次の5つのポイントだと
私は考えています。

ひとつめは、「上より奥」の精神です。

成長や上昇、変革よりも「ゼロに戻る」精神性が
自然と大切にされてきました。

2つめは、ハプニングを素直に受け入れてみる心です。

3つめの教訓は、人間は多面体であることが当然
という認識に立ち戻ることです。

人格が首尾一貫していなくてもいい。

人は多面的な顔、矛盾した性質を持っているのが
本来ならば自然なことです。

4つめの教訓は、自己肯定感の低さに
とらわれすぎないこと。

謙遜の精神が文化に根付いている日本人にとって、
自己肯定感は否定に否定を重ねて
ようやく生まれるものです。

最後の教訓は他者の愚かさを許し、
寛容に受け入れる姿勢を身につけることです。

私たち日本人は他者の愚かな振る舞いや
あるがままの姿を受容・肯定する文化に
囲まれて育ってきました。

そのおおらかさ、寛容の精神こそが
日本の文化に数千年にわたって
通底している共通要素ではないでしょうか。

むかしむかし あるところにウェルビーイングがありました 日本文化から読み解く幸せのカタチ

日本の昔話って、
「英雄の旅」のスキームから考えると
合わないものも多いですね。

「桃太郎」は、
「英雄の旅」に合っていますが、
確かに「浦島太郎」は合っていない。

昔話のスキームが自分には当たり前すぎて、
不思議に思わなかったものが、
外から眺めるという視点をもってみると、
確かにおもしろいです。

竜宮城なのに、なぜドラゴンがいないのか?
なぜ、飲み食いするだけのごほうびなのか。

言われてみると、おかしな話です。

「わらしべ長者」も主人公が
困難に遭うわけでもなく、
目標を立てることもなく、
努力することもなく、
なぜか長者になってしまう。

そして、「あいつは、努力もしないで、うまいことやってずるい」、
という思考は、この話からは感じられません。

私は子どものころ、日本の民話を
かたっぱしから読んでいましたが、
自分の子どもたちには、
あまり伝えてこなかったかもしれないなあと
反省しました。

あなたは、どんな日本の昔話を覚えていますか。

20220311 むかしむかし あるところにウェルビーイングがありました 日本文化から読み解く幸せのカタチvol.3344【最幸の人生の贈り方】

この記事は、メルマガ記事から一部抜粋し、構成しています。

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