NOISE : 組織はなぜ判断を誤るのか? 

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Noise: A Flaw in Human Judgment
ダニエル・カーネマン(著), オリヴィエ・シボニー(著), キャス・R・サンスティーン(著), 村井 章子  (翻訳)
早川書房 (2021/12/2)

ダニエル・カーネマン Daniel Kahneman
1934年生まれ、認知心理学者。プリンストン大学名誉教授。専門は意思決定論および行動経済学。2002年にはノーベル経済学賞を受賞。著書に『ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る』、『ファスト&スロー――あなたの意思はどのように決まるか?』(早川書房刊)など。

オリヴィエ・シボニー Olivier Sibony
フランスHEC経営大学院教授。25年にわたって、パリとニューヨークでマッキンゼー・アンド・カンパニーのシニア・パートナーを務めた。著書に『賢い人がなぜ決断を誤るのか?――意思決定をゆがめるバイアスと戦う方法』など。

キャス・サンスティーン Cass R. Sunstein
1954年生まれ、ハーバード大学ロースクール教授。専門は憲法、法哲学、行動経済学など多岐におよぶ。オバマ政権では行政管理予算局の情報政策および規制政策担当官を務め、またバイデン政権では国土安全保障省の上級参事官に任命される。リチャード・セイラーとの共著『実践 行動経済学』は全米ベストセラーを記録。他の著書に『スター・ウォーズによると世界は』(早川書房刊)など。

村井章子
翻訳者。上智大学文学部卒業。主な訳書に、カーネマン『ファスト&スロー』(早川書房)、フリードマン『資本主義と自由』、スミス『道徳感情論』、バナジー&デュフロ『絶望を希望に変える経済学』など。

NOISE 組織はなぜ判断を誤るのか?

■二種類のエラー

判断のエラーを理解するには、
バイアスとノイズの両方を
理解することが必要になる。

これから見ていくように、
ノイズのほうが重大な問題であることも
めずらしくない。

ところがヒューマンエラーを研究者が論じるときも、
公的機関や企業が問題にするときも、
ノイズはほとんど意識されない。

いつも主役はバイアスである。

NOISE : 組織はなぜ判断を誤るのか?

確かに、判断のエラーを論じるときに、
バイアスに注目しがちです。

これはなぜかというと、
自分のバイアスや、自集団のバイアスに
気づくかどうかは別にして、
他人のバイアスや、他集団のバイアスには
気づきやすいからです。

「なんで、あいつは、あいつらは、
そんなふうに物事を受け止めるのか。
そういう判断をするのか。
そういう行動をするのか。」

これは、わかりやすい。

そして、明らかに、自分とは違うので、
そのバイアスは、なんとかできるものだと
考えてしまう。

そこでバイアスに注目するわけです。

が、実際には、バイアスと同じように、
ランダムなノイズがあって、
判断のエラーを引き起こしている
というのがこの著書での主張です。

興味深いですね。

あなた自身の判断に一貫性がないと感じるのは、どんなときですか。

20211218 NOISE 組織はなぜ判断を誤るのか?(1)vol.3261【最幸の人生の贈り方】

同じ犯罪でも異なる判決が下されている

■ノイズの抱える問題

第一は、世界は複雑で不確実であり、
判断はむずかしいということだ。

第二は、不一致の度合いは
一般に予想されるよりはるかに大きいことである。

理想的にはつねに同一であるべき判断に
不可避的に入り込む好ましくないばらつきを
「システムノイズ」という。

システムノイズは
不正義の蔓延、金銭的コストの増大を始め、
さまざまなエラーを引き起こす。

第三は、ノイズは減らせることである。

ノイズを減らすための方法の中には、
同時にバイアスも減らせるものもある。

第四は、ノイズを減らそうとすると反対が起きて
ノイズ退治が困難になりかねないことである。

NOISE : 組織はなぜ判断を誤るのか?

公平であってほしい、裁判官の判決も
私たちが考えているよりもずっと大きな
ばらつきがあるようです。

さらには、同じ人でも、空腹かどうか、
ひいきのチームが勝った週か、負けた週か、
で異なります。

そして、これに人種などのバイアスがかかると、
その差は広がっていきます。

自分自身を振り返ってみても、
常に同じ判断基準かというと、
そうともいえません。

締切直前で起きたトラブルに対応しているときに、
別件で寛容な対応を求められても、
できるとは限りません。

私の中でテーマとしてもっている課題の一つは、
標準化と個別化です。

人の多様性を活かしたいなら
個別化は必須です。

しかし、品質の担保をするためには、
ある程度の標準化は必要です。

何を標準としてしばりをいれて、
どこからは個別化をすることで、
より多様性を生かすことができるのか。

この問いが、私にとってのテーマの一つです。

あなたは、刑事裁判の判決に対して、どれくらいのばらつきだったら、許容できますか。

20211219 同じ犯罪でも異なる判決が下されている_NOISE(2)vol.3262【最幸の人生の贈り方】

保険会社の見積もりは大きなばらつきがある

定評ある保険会社でしかるべき資格を持つ専門職を
ランダムに二人選んだとき、
この二人の見積もりに
どの程度の開きがあるだろうか?

引受担当者の見積額の格差の中央値は五五%で、
経営陣の予想を五倍も上回ったのである。

査定担当者のほうは、
査定額の格差の中央値は四三%だった。

お断りしておくが、これらの数字は
あくまで中央値である。

つまり半分のケースでは、
格差はもっと大きかった。

システムノイズはシステムの問題であり組織の問題であって、
市場の問題ではない。

おそらく経験ゆたかで尊敬されているプロフェッショナルたちは、
そして彼らを雇っている会社の側も、
「プロフェッショナルが下す評価はほぼ同じ」と
信じ込んでいるのではないかと考えられる。

これを私たちは「一致の錯覚(illusion of agreement)」と呼ぶ。

NOISE : 組織はなぜ判断を誤るのか?

別に保険会社の専門職だけ
槍玉に挙げられているわけではありません。

システム開発の場合であれば、
開発見積もりや、トラブルの復旧見込みなども
そのばらつきにはいるでしょう。

専門家であっても、人によって、
見積もり結果は異なるし、
同じ人でも、体調や気分がよいときには、
楽観的に見積もるだろうし、
不調やいらいらしているときには、
悲観的に見積もるでしょう。

誰もが自分のことを振り返れば、
必ずしも一貫性があるとは限らないことを
知っているのに、
「専門職ならば、いつも一環した評価を下すだろう」
と思いがちなのは、
確かに思い当たるところがあります。

セカンドオピニオンをとったとして、
大概50%も違う値が出てくるのが普通だとしたら、
それは、やはり望ましくないことです。

あなたの身の回りで、システムノイズがあってはならないと考えるのは、どんなことですか。

20211220 保険会社の見積もりは大きなばらつきがある_NOISE(3)vol.3263【最幸の人生の贈り方】

レベルノイズ・パターンノイズ・機会ノイズ

レベルノイズは、
判断者ごとの判断の平均的なレベルの
ばらつきである
(たとえば厳しめの裁判官と甘めの裁判官)。

パターンノイズは、
特定のケースにおける判断者の反応の
ばらつきである
(再犯者に厳しい、共犯者に甘い、など)。

プロ選手でも二回まったく同じ動作で
フリースローを打つことはできないのと同じで、
プロフェッショナルといえども
二回機会を与えられた場合に、
同じ事実に対してまったく同じ判断を
二度目も下すことはまずできない。

人間はご機嫌なときは肯定的で前向きになりやすい、
悲しいことより楽しいことのほうが思い出しやすい、
機嫌のいいときは相手の言い分を認めやすく
寛大になり人助けに積極的になる、等々。

機嫌の悪いときはその逆である。

幸福で楽しい気分であることは
必ずしもいいことばかりとは言えず、
また暗く悲しい気分には意外な効能が
あることもわかってきた。

ご機嫌な人は自分の抱いた第一印象を
あまり疑いもせず受け入れてしまう傾向がある。

人間はご機嫌だとデタラメを受け入れやすくなり、
また全般的にだまされやすくなる。

つまり、つじつまの合わないところを探し出したり、
噓を見抜いたりする気がなくなってしまう。

NOISE : 組織はなぜ判断を誤るのか?

刑事裁判の量刑判断の場合、
甘めの人と厳しめの人がいるだけでなく、
状況ごとの判断のばらつきもあるようです。

ビジネスでも同じような傾向が
あることは、推察できますね。

見積もりが甘めの人、厳しめの人。

ある条件の案件については、
より多くのリスクを見込んでおく場合。

自分自身の過去の判断を見返しても、
必ずしも一貫性があるとは思えないものが
あります。

組織や集団となると、
さらにばらつきが増えてしまうことになりますね。

あなたの過去の経験で、一貫性が必ずしもないと考えられる判断にどんなものがありますか。

20211221 レベルノイズ・パターンノイズ・機会ノイズ_NOISE(4)vol.3264【最幸の人生の贈り方

集団がノイズを増幅するとき

■群衆の知恵が働くとき・あてにならないとき

前章では群衆の知恵を取り上げ、
大人数の集団に意見を求めた場合、
答えを平均すると正解に近づく可能性が高いと
述べた。

だが群衆の知恵の大前提は、各自の独立性だ。

それぞれが自分で判断を下さず
他の人の意見に依存するような場合には、
群衆の知恵はあてにならない。

■情報カスケード

情報カスケードとは大勢の人が順番に
前の人の選択情報を参照しながら判断する場合に、
自分自身の持つ情報に基づかず、
多数派の選択肢を選ぶ傾向のことを指す。

■集団極性化

集団極性化とは、
集団の中で互いにやりとりするうちに、
往々にして集団としての意見が
個々人のもとの考えよりも
極端な方向に振れやすい現象を指す。

企業や政府を始めどんな組織でも、
カスケード効果と極性化のせいで、
同じ問題に取り組む複数の集団が
まったくちがう結論に至ることがままある。

NOISE : 組織はなぜ判断を誤るのか?

場の空気を読むことを強いられる日本文化では、
情報カスケードは起こりがちかなと思っていましたが、
日本特有ではなく、海外でも同じなんだなということに
驚きました。

情報カスケードの問題は、
最初に意見を出した人よりも、
あとの人のほうがそれに反する情報をもっていたとしても、
前の人たちに同調してしまうということです。

「こんなことを聞いたんだけど」
「こんな経験をしたことがあるのだけど」
と、新たな情報を提示することで、
判断がひっくり返る可能性があるにもかかわらず、
他の人も自分と同じ情報をもったうえで判断したと
推測してしまい、自分からわざわざ新情報を提示することなく、
前の人たちに同調してしまうのです。

これは、よく起こっていそうですよね。

議論の結果、あなたが思っていたのとまったく反対の結論になったのはどういうときですか。

20211222 集団がノイズを増幅するとき_NOISE(5)vol.3265【最幸の人生の贈り方】

機械と人間のどちらの予測が正しいか

二〇〇〇年に一三六の調査報告を評価した結果、
機械的予測は臨床的予測を上回ることが
疑いの余地なく確かめられている。

評価対象となった調査は、
黄疸の診断、軍務の適性診断、
結婚生活の満足度など多岐にわたる。

機械的予測は一三六件中六三件で、
統計的手法は六五件で最も精度が高かった。

臨床的予測が最も高い精度を記録したのは
八件のみである。

しかもこの結果を見比べるだけでは、
機械的予測の価値を過小評価したことになる。

なにしろ機械的予測のほうが臨床的予測より
ずっと速くて安上がりなのだ。

NOISE : 組織はなぜ判断を誤るのか?

がーーん、

というような内容ですね。。。

予測に関していえば、
人間より機械的予測や統計的手法のほうが
ずっと精度がいいし、
さらには、あなたが直接判断するよりも、
あなたが行った判断をモデルにしたほうが、
より高い精度の判断をするとのことです。

あなたの予測はあてにならないので、
判断しなくてもいいです、
とでも言われたように思いました。

昔から、見積もりの手法として、
KKD手法というのがありまして、
「勘・経験・度胸」
で見積もるというものです。

これは、ダメだということですね。

あなたは、予測する時にどんな手段を用いていますか。

なぜエグゼクティブは精度の低い直感に基づくのか

■客観的無知

解決不能の不確実性(知り得ない情報)と
情報の不完全性(調べればわかるが調べ切れていない情報)
のために、完璧な予測は不可能である。

こうした知り得ない情報、
知らないままの情報の存在は、
人間の判断に入り込むバイアスやノイズの問題ではない。

客観的な性質のものだ。

重要な情報の客観的無知が、
予測精度を大幅に押し下げるのである。

限られた情報からでも
自分には正確に予測ができると、
多くの人が根拠のない自信を抱いている。

■なぜエグゼクティブは精度の低い直感に基づくのか

意思決定者が自分の直感の声を聞くとき、
それは内なるシグナルを聞いているのであり、
そのシグナルから満足感や達成感というご褒美を
もらっている。

「よい判断をした」、「これでよし」
と囁く内なるシグナルは自信を与えてくれる。

「どうしてかわからないがとにかく自分にはわかっている」
という自信である。

NOISE : 組織はなぜ判断を誤るのか?

直感、内なるシグナルには、ご褒美がついていたのです。

だから、根拠のない自信で、
直感を採用していたのです。

実際には、採用の予測はとても難しいので、
モデルを使っても、六五%。

しかしながら、人間による評価は、五九%。
さらに低いのです。

もし、モデルによる評価が、80%や90%だったら、
自分の評価は当てにならないと却下するでしょう。

しかし、6%しか違わないなら、
「よい判断をした」、「これでよし」という
内なるシグナルのご褒美のほうが
よいと考えてしまうわけです。

さもありなん。

あなたは、どんなときに自分の直感を優先しますか。

20211224 なぜエグゼクティブは精度の低い直感に基づくのか_NOISE(7)vol.3267【最幸の人生の贈り方】

過剰な一貫性とストーリーがまちがいを生み出す

■過剰な一貫性

一般に人間は結論に飛びつきやすく、
飛びついた結論にこだわりやすい。

自分の意見はちゃんと証拠に
基づいていると思っているが、
その証拠なるものも、その解釈も、
最初にパッと形成された判断に
フィットするよう歪んでいることが多い。

その結果、最初に即席に思いついたストーリーを
最後まで押し通すことになる。

だが最初の判断がまちがっていたら、
それにしがみついて反証を無視するのは
エラーを増幅させるだけだ。

しかもこのプロセスは一度始まると制御できない。

■ストーリー

判断の問題を「解決」したと称する専門家は、
自分のストーリーが正しいと確信するのみならず、
他のストーリーがいかにまちがっているかを
滔々と説明できる。

ここでもまた、他の可能性を考慮せず、
さらには積極的に無視することで、
五十歩百歩のお粗末なストーリーに
自信満々になれるというわけだ。

自信についてのこの考察からわかるように、
自分の判断に主観的な自信があるということは、
その正しさを保証するものではない。

そのうえ、他の解釈を無視する傾向は
「一致の錯覚」を生み出しかねない。

NOISE : 組織はなぜ判断を誤るのか?

以前、親子フューチャーマッピングを
行っていたときに気づいたのは、
現状と結論にかなり突飛なギャップがあった場合でも、
誰でも因果関係を作り出すことができる
才能をもっているということです。

これは、子どもでも簡単にできます。

辻褄合わせができてしまうのです。

この才能こそが、ホモ・サピエンスの独自能力ですが、
同時にエラーも生み出してしまうわけです。

実際には、無数の出来事があり、
それぞれが複雑に絡み合って、
結果を生み出していくわけですが、

その無数の出来事の中から、
ランダムにいくつかの出来事を取り出すだけで、
あたかもそれだけが相関をもって、
因果関係まで生み出したかのように、
錯覚してしまい、
ストーリーに自信満々になれるのです。

が、当然ながら、これは正しいわけではありません。

一つの可能性にすぎないわけです。
(こじつけの場合は、可能性にすらなりませんが)

もし、ストーリーの力を使うのであれば、
同じイベントを他の登場人物の視点で語るか、
まったく別のイベントだけで、
同じ現状、同じ結論のストーリーを作るということが
必要になるかもしれません。

あなたの人生を、幸福なイベントだけと不幸なイベントだけで紡いだ時に、それぞれどのような違いのストーリーが見えますか

20211225 過剰な一貫性とストーリーがまちがいを生み出す_NOISE(8)vol.3268【最幸の人生の贈り方】

的中率の高い超予測者の特徴とは

超予測者の思考スタイルを、
テトロックは「永遠のベータ版」と表現する。

「永遠のベータ版であること、
すなわち自分の予測を絶えず
アップデートし自己改善することこそが、
超予測者の必須条件である」と述べている。

「超予測者を超予測者たらしめているのは、
備わっている能力や気質ではなく、
予測に臨むやり方である。

精力的な調査、注意深い思考、
自分の当初の予測に対する批判的検証、
他の情報や判断の収集と比較考量、
絶え間ないアップデートが超予測者の特徴だ」。

NOISE : 組織はなぜ判断を誤るのか?

自分が話したり書いたりしている文章の中に、
「しかし」「でも」「とはいえ」「その一方」
が、どれくらい入っているかを見てみると、
自分がはじめの直観にどれくらい
しがみついているのかがわかるかもしれません。

そして、特に重要なのは、
「わたしが間違っていました」と
認めることのできる態度でしょうか。

さらには、
「自分の予測を絶えず
アップデートし自己改善することこそが、
超予測者の必須条件である」とのこと。

「試す、失敗する、分析する、
修正する、また試す」という思考サイクルは、
だれもが使えるものだと思います。

身につけておきたいですね。

あなたは、予測する時に、自分の直観に反する見方をどのように探していますか。

20211226 的中率の高い超予測者の特徴とは_NOISE(9)vol.3269【最幸の人生の贈り方】

ノイズだらけの人事評価と採用面接

■Googleの採用

人材選抜の方法を改め、
その結果を公表している企業の一つが
グーグルだ。

第一の原則の分解について説明しよう。

この段階では、意思決定を構成要素に分解する。

私たちは分解された項目を「媒介評価項目」と呼んでいる。

グーグルの場合で言えば、
媒介評価項目が四つ設定されている。

認知能力、リーダーシップ、
文化的な適性(つまり「グーグルらしさ」)、
職務関連知識である。

第二の原則である独立に移ろう。

独立が意味するのは、評価項目ごとに
候補者に質問を発して情報を収集し、
そのたびに個別に評価することである。

面接官の役割はもっぱら評価項目に必要な情報を収集し、
項目ごとに採点することにある。

そのために、候補者の過去の行動について
あらかじめ決められた質問をしなければならない
(「これまでに、これこれの状況に遭遇したことはありますか、
あなたはそのときどうしましたか、
その結果どうなりましたか?」といった類の質問である)。

また採点に際しては、
あらかじめ定められた統一的な尺度に従うことが大切だ。

その尺度には、質問ごとに
「ふつう」、「よい」、「きわめてよい」の例が
こまかく記載されている。

加えてグーグルは、いくつかの評価項目では
他の情報も考慮する。

たとえば職務関連知識については、
プログラマー志望者にはコードを書いてもらう
というふうに実務試験を行う。

第三の原則は、総合判断は最後に行うというものだ。

NOISE : 組織はなぜ判断を誤るのか?

グーグルも一時期、一人の候補者に
25回もの面接を課していたことがあったようです。

しかし、4回以下に減らしたとのこと。

回数を増やせば精度があがるわけではないことが
わかったからだそうです。

このGoogleの採用を題材にした『インターンシップ』
という映画があります。

Googleが全面協力したコメディー映画なのですが、
採用プロセスがよく理解できます。

とてもおもしろいので、おすすめです。

アマゾンプライムビデオで観られるようです。

あなたは、自分と他人を評価するときに、どのような基準を使っていますか。

20211227 ノイズだらけの人事評価と採用面接_NOISE(10)vol.3270【最幸の人生の贈り方】

どの程度のノイズなら容認できる?

ノイズをランダムエラーと言い換えた時、
生物の進化という観点でみると、
組み込まれているものです。

遺伝子のコピーエラーがあるからこそ、
多様性が生まれ、
たまたま環境に適合したものが、
より勢力を伸ばしてきました。

一方、環境が変わらないのであれば、
すでに適合しているものを
エラーなく、コピーできたほうが効率的です。

では、人間の判断はどうなのか?

社会的な価値観が一定であれば、
ランダムなエラーがないほうが、
効率的で公平です。

一方、社会的な価値観が変革期にあるのであれば、
裁量が大きい方がよいかもしれません。

同じ組織にあって、
ある上司の人事評価は甘くて、
別の上司の人事評価は辛い。

評価の辛い上司の下にあって、
不公平だと感じるか、どうか。

同じ病気、同じ症状で、
ある医者は手術を勧めるし、
別の医者は放射線治療を勧めるし、
別の医者は免疫治療を勧める。

あなたが患者だとしたら、
治療方法をどう選択するのか。

何をどこまで、ルールやアルゴリズムで決めて、
どこは裁量にするのか。

実際、自分自身の判断を振り返っても、
日によって、まちまちな判断は多くあります。

あなたは、どの程度のノイズなら容認できますか。

20211228 どの程度のノイズなら容認できる?_NOISE(11)vol.3271【最幸の人生の贈り方】

この記事は、メルマガ記事から一部抜粋し、構成しています。

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