段階3:呪術ー神話的段階(レッド)とは
- 部族集団と区別された「自己」が初めて出現する。
- 世界とはジャングルであり、危険や敵に満ちた場所である。
- 征服すること、相手を出し抜くこと、支配することを好む。
- 後悔したり、自責の念に駆られたりすることなく、最大限に楽しんで過ごす。
- 封建的な領主が、服従し労働することと引き換えに、下層の者たちを保護する
自己が成長を続け、自分自身と周りの環境をもっと明瞭に区別できるようになると、自分という存在がとてもか弱い存在であることを明確に意識するようになります。そして、危険がなく安全であるかどうか、自分を守るにはどうすればよいかといったことを心配し始めます。
この段階では、人々の行動は、力への衝動によって支配されています。
自分独自の基準や自分独自の法をつくり、それに従って行動します。自分が望んでいることこそ正しいのであり、動くのはただ欲しいものを手にするためであり、社会とはクソなのです。
世界とは適者生存の場所であり、最も大きく最も強い者こそが勝利するという世界観をもっています。
自分がすべてを支配しているという感覚を味わう
あなたの人生の何らかの領域においては、この領域の在り方が再活性化されて、力を支配を求める自己中心的な衝動が主導権を握っているのではないでしょうか。
実際にこの在り方が活性化した具体的な場面を思うだしてみましょう。
あるいは、人々に抑制なく力を行使することができるという感覚、人々を思いのままに動かすことができるという感覚、自分がすべての主導権を握っているという純粋な感覚に対して、できるだけ直接に、ただ意識を向けてみましょう。
支配のマインドフルネス
あなたが大勢の人々の中を通り抜けていくところを想像しましょう。あなたが人々の近くを通り過ぎると、その純粋で清澄な呪術的力によって、誰もがあなたに頭を垂れます。驚くべき力に満ちたあなたに比べると、はるかに取るに足らない存在であると想像しましょう。
あなたは、自分の欲しいものを何でも手に入れることができます。名声も、莫大なお金も、あなたに求愛している世界樹の女性あるいは男性も、世界中の自動車もクルーザーも、家も、すべてを手に入れることができます。
あなたは本当に無敵なのです。まったく危険がなく、完全に安全であり、守られています。
では、そうした感情やイメージを、意識の中に直接に保持しましょう。そして、そうした感情やイメージを、意識の客体にしましょう。
力と完全な支配を求める願望は、直接的にはどのようなものとして感じられますか?それはどんなふうに見えますか?どんな色で、身体のどのあたりに位置していますか?どんなことが引き金となって、こうした願望が生じますか?
こうした願望をあらゆる角度から、ありのままに録画しましょう。こうした感情に、衝動に、欲求に、隅から隅まで親しくなれるまで、録画を続けましょう。
隠れた主体としてあったそうした願望を、意識の客体にし、そのまま、揺らぐことなく、保持し続けましょう。それを通して世界を見たり感じたりするのではなく、それを対象としてみましょう。
あなたはもう、そうした願望と同一化してはいません。それを振り落とし、それを手放し、そこから離れ、それを超えましょう。
力への中毒とアレルギー
私たちは「力への中毒」に陥ることがあります。自分自身の力をあらゆる形で見せつけることに夢中になるのです。
他方、「力へのアレルギー」を発生させることもあります。力と思われるものは何でも、他の誰かに、あるいは他のすべての人に委ねてしまっているために、やがて、世界全体があなたをコントロールしようとしているように感じられてきます。
どちらの場合でもそれを「超えて含む」ようにしましょう。直接に、ただちに、全神経を集中させ、それに意識を向けましょう。主体となっているこうした衝動を、客体にしましょう。それから脱同一化しつつも、それを意識の中に含み続けましょう。
力への過剰な衝動は、しばしば、私たちの心の中に「内なる批判者」あるいは「内なる支配者」として現れます。いつも、あなたは劣っている、あなたには何々が欠けている、あなたは負け組である、あなたは役立たずであると、私たちに告げています。
こうしたとき、あなたの通常の自己と、あなたの中にいる支配者に対話をさせ、その内容を書き留めることで、意識の表面にのぼらせることができます。
出典