英雄の旅

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英雄の旅の3つの段階

英雄の旅には、3つの段階と12のアーキタイプがあります。

準備


自分の能力、勇気、思いやり、理想への忠誠心を証明するように求められる。

私たちは無垢な存在として生を受け、幼子から楽観主義信頼を学ぶ。”転落”を経験すると、うちひしがれた孤児となり、人生に裏切られる。「自分の面倒は自分で見なさい」と教えてもらうのだが、仲間と団結して助け合うのが人生を生き抜く最善の策だ。戦士が登場すると、目標を設定して達成するための戦略づくりを学び、自制心勇気を発揮するように求められる。援助者が活性化すると、他人のことを気遣い、最終的には自分のことも大切にするようになる。

自我ー内なる子供を守る

旅 

家族や一族のもとを離れて探索の旅にでるのだが、そこで私たちを待ち受けているのは、死と苦しみ、そして愛だ。ここで何よりも重要なのは、あなたの自己(セルフ)が形を変えていくことだろう。こうした変容は、神話の世界では、財宝や聖なる神器を見つけるという行為で表現されることが多い。

手が届かないものに憧れるようになると、私たちは探求者となって、心を満たすために言葉にできない何かを探し求めるようになる。誘い(コーリング)に応えて旅の第一歩を踏み出すと、やがて大切にしていたものをなくしたり苦しみを体験したりすることになる。破壊者が奪ってしまうからだ。しかし、エロス、すなわち求愛者の世界への通過儀礼を経ることで補完される。この愛情は深く、強い絆が求められ、もう自由なままではいられない。真の自己の誕生だ。創造者はこの自己を世に知らしめて、王国への帰還を準備できるように力を貸してくれる存在だ。

魂ー神秘を体験する

帰還

私たちが王国の統治者になり、王国も変革される。と同時に、私たちは再生と新生をくりかえさなければならない。さもないと干からびた真実にしがみつく暴君となり、王国に損害をもたらしてしまう。そして自分には何かがたりないと感じ始めたら、再び探索の旅に出る必要がある。

王国への帰還を果たすと、私たちは自分が統治者になっていることに気づく。旅で手に入れた知恵を活かし、深みを増したアイデンティティに忠実に生きていれば、荒れ果てた大地にも花の咲く日がやってくる。魔術師が活性化し始めると癒しや変容の道に通じるようになり、それによって王国も変わり続けることが可能になる。とはいえ、心から満たされるために自分の主観性と向き合わなくてはならず、賢者が「真実とは何なのか」というというへの答えを知る手助けをしてくれる。自分の主観を受け入れ、幻想やつまらない欲望を手放すことができるようになれば、道化の登場を受け入れて、今この瞬間を愉快に生きることができるはずだ。

自己ー自分という人間を表現する

12のアーキタイプ

幼子 The Innocent

目指すもの 安全であり続けること
恐れるもの 見捨てられること
ドラゴン/問題への対処 存在を否定する、助けを求める
課題 忠誠心、洞察力(物事を見極める力)
ギフト/美点 信じる気持ち、楽観主義

嗜癖を招きやすい性質 否定的
嗜癖対象 消費行動、甘い菓子、陽気な態度

 否定、抑圧、非難、順応、根拠のない楽観主義、危険な行為
覚醒を促す声 安全で安心できる環境。守ってもらいたい、無条件の愛と容認を経験したいという欲望

レベル1
疑いを抱かずに、周囲の状況や権力を受け入れる。自分が体験している人生がすべてであるという信念。依存状態。

レベル2
”転落”を—幻滅や失望を—体験するが、逆境にあっても信念と善良さを持ち続ける

レベル3
賢い幼子として楽園への帰還を果たす。否定、愚直、依存とは無縁の信頼と楽観主義

孤児 The Orphan

目指すもの 安全の回復
恐れるもの 搾取、迫害
ドラゴン/問題への対処 無力感、救出に対する願望、冷笑的な追従
課題 痛みと幻滅の十分な検証を行い、心を開いて他人の助けを受け入れる
ギフト/美点 自立心、共感、現実主義

嗜癖を招きやすい性質 冷笑的
嗜癖対象 無力化、苦悩

影 
自分の能力不足や責任感の欠如はもちろん、
みずからが犯した略奪的行為まで他人のせいにする犠牲者であり、
「自分はずっと不当な扱いを受けてきた」「自分はか弱い人間なんだ」
と訴えながら特別扱いや免責を期待する。
影に人生を支配されてしまうと、
救いの手を差し伸べてくれた相手のことまで攻撃して、
相手と自分を同時に傷つけてしまう。
さもなければ、挫折の末に機能不全に陥ってしまう。

レベル1
苦境に立たされているという現実を受け入れて、痛み、遺棄、迫害、無力感、
人間や公的機関に対する信頼の損失を実感するすべを学ぶ

レベル2
助けが必要だということを受け入れる。自分から救いや支援を求めるようになる

レベル3
権力者に依存する代わりに、助け合いと団結の精神で権力者に対抗する人々との相互依存の関係を築く。
現実的な予想を展開させる

戦士 The Warrior

目指すもの 勝利、自分の道を見つける、苦闘の末にまわりとは異なる存在になる
恐れるもの 弱さ、無力感、無能、能力不足
ドラゴン/問題への対処 倒す、打ち負かす、改心させる
課題 高次の自己主張、本当に大切なことのために闘う
ギフト/美点 勇気、自制心、スキル

嗜癖を招きやすい性質 冷笑的
嗜癖対象 無力化、苦悩

 
戦士としての手腕を知り私利私欲のために利用して、
道徳観や倫理観、グループ全体の利益を一顧だにしない悪人。
人と競ったり、勝利を勝ち取ったり、自分の要求を通したりするためには
理念を曲げざるをえないと感じてしまうと、
待っていましたとばかりに活性化する。
争いが日常化している環境でも姿を現すので、
自分の身に降りかかることが、
侮辱的行為、威嚇、目の前に立ちふさがる障害物としか思えなくなってしまう。

覚醒を促す声 大きな難題や障害

レベル1
自分や他人のために戦って勝利を収めるか優位に立つ

レベル2
自分や他人のために理念をもって闘う。
ルールを守って正々堂々と闘いや競争に挑む。
利他的な目的を持つ

レベル3
率直な自己主張。
(個人的利益のためだけでなく)本当に大切なもののために闘いや競争を行う。
暴力をほとんど(あるいは、まったく)必要としない。
「双方が勝者となる」解決策を好む。
堂々と闘いを宣言する。
コミュニケーションを活発にして、誠実にふるまう。

援助者 The Caregiver

目指すもの 人を助ける、愛と犠牲を通じて影響を及ぼす
恐れるもの 自己中心的な態度、恩知らずな態度
ドラゴン/問題への対処 ドラゴンや、ドラゴンが傷つけた者の世話をする
課題 誰も傷つけずに与える
ギフト/美点 憐れみの心、寛容な心

嗜癖を招きやすい性質 救助作業
嗜癖対象 世話をやく、共依存

 
苦しむ殉教者であり、
「ほら、あなたのためにこんな犠牲を払ってきたんですよ!」
と訴えて、相手が罪悪感を抱くように仕向ける。
人を操る、自分のものにしようとする、といった行為の最中に現れ、
面倒を見るという口実でその人を自分の支配下に置いてしまう。
(共依存の関係や、面倒を見たい、救ってあげたいという強迫観念に
駆られているときにも姿を見せる)

覚醒を促す声 
他人の世話を必要する責務(たとえば、親としての責務)、
他人の(あるいは自分自身の)窮乏や依存状態の認識

レベル1
自分の要求と他人の要求の間でかと葛藤する。
他人の欲求や自分の求められているもののために、
自分の欲求を犠牲にする傾向がある。
救済活動

レベル2
他人を気遣う行為で自身を傷つけるのではなく豊かにすることができるように、
自分自身を慈しむすべを学ぶ。
”愛の鞭”の使い方を習得する。
他人に尽くすのではなく、力を与える

レベル3
子供をつくる力。
身内や友人たち以外の人々を慈しみ、彼らのために責任を負おうとする意欲。
コミュニティの形成。

探求者 The Seeker

目指すもの より良い人生、もしくは、より良い生き方の探索
恐れるもの 順応、罠にかかること
ドラゴン/問題への対処 放置、回避、意識の外に追いやる
課題 より深遠で重大な真実に忠実に生きる
ギフト/美点 自律心、野望

嗜癖を招きやすい性質 自己充足
嗜癖対象 自立、完全主義

 
完璧主義者であり、常に、到達不能な目標を達成しよう、
”正しい”答えを見つけようと奮闘している。
探求者の影に取り憑かれている人々は、
スポーツジムから自己啓発セミナーに至るまで、
さまざまな自己改善の場を主要な活動領域にしておきながら、
いつまでたっても全力で何かを成し遂げるための準備が整わない。

覚醒を促す声 
孤立、不満、空虚な心、チャンスの到来

レベル1
探索、放浪、実験、研究、新たな挑戦

レベル2
野心を抱く、成功への階段を登る、自分の能力を最大限に発揮する

レベル3
霊的な探索、変容

破壊者 The Destroyer

目指すもの 成長、変身
恐れるもの 停滞、もしくは、消滅。復活のない死
ドラゴン/問題への対処 破壊される。もしくは、破壊する
課題 自分を解き放って、他のものにゆだね、死という運命を受け入れることを学ぶ
ギフト/美点 謙虚さ、受容

嗜癖を招きやすい性質 自己破壊
嗜癖対象 自殺、自己破壊的な習慣

 
自己破壊的な行為ーー依存症、衝動脅迫、
親密な関係や仕事上の成功や自尊心を踏みにじるような行為ーーと、
他人に破壊的影響を及ぼすような行為
ーー精神的虐待、肉体的虐待、殺人、レイプといったものーー
のすべてに内在している。

覚醒を促す声 
痛み、苦悩、悲劇、喪失の体験

レベル1
混乱状態、死や喪失や痛みの意味を理解しようとする努力

レベル2
死という運命と喪失、両者に伴う無力な状態の容認

レベル3
自分や他人の価値観や成長を支えてくれなかったものを
手放そうとする決意する能力

求愛者 The Lover

目指すもの 至福、一体感(ワンネス)、調和
恐れるもの 愛の喪失、断絶
ドラゴン/問題への対処 愛を与える
課題 自分の至福に従う、好きなことに献身的に取り組む
ギフト/美点 献身、情熱、陶酔

嗜癖を招きやすい性質 親密さに関わる問題
嗜癖対象 人間関係、セックス

 
妖婦(旅人を誘惑して旅の目的を忘れさせる)、
誘惑者(愛情を武器にして相手を征服する)、
セックス依存症や人間関係依存症(愛がないと生きていけないと感じてしまう)、
激情に流されるとノーと言えなくなる人や、
恋人が去ると完全に打ちのめされてしまう人々
に内在している
嫉妬、妬み、愛情を注ぐものや人間関係への病的執着、
ドンファン症候群、乱行、
セックスやポルノへの執着や(その反動としての)厳格主義

覚醒を促す声 
心酔、誘惑、憧れ、(人間、アイデア、大義、仕事に対する)突然のときめき

レベル1
至福や愛するものに従う

レベル2
愛する物や人との絆を結び、献身的に尽くす

レベル3
徹底的な自己受容によって自己(セルフ)の誕生を促し、
個人を超個的(トランス・パーソナル)なものと、
個々の人間を集団と結びつける

創造者 The Creator

目指すもの 人生、作品、さまざな種類の新たな現実の創造
恐れるもの まやかし、失敗作、想像力の欠如
ドラゴン/問題への対処 
 自己の一部、人が創り上げたものの一部として受け入れる。
 自発的に、別の現実を創り上げようとする
課題 自己創造、自己受容
ギフト/美点 創造性、アイデンティティ、使命感

嗜癖を招きやすい性質 強迫観念
嗜癖対象 仕事、創造力

 
取り憑かれたような様子でさまざまな可能性に手を出すので、
どれもこれも中途半端な印象を与えてしまう。
ワーカホリックもこの一種であり、
常に、まだ何かすることがあるはずだという考え方に
浸っていることができる。
悲観的な環境や、限定的な機会の創造。
強迫観念に囚われた創造活動、ワーカホリック

覚醒を促す声 
白昼夢、幻想、イメージ、霊感のひらめき

レベル1
ビジョン、イメージ、予感、霊感を心を開いて受け入れる

レベル2
自分の本心が何を望み、何を行動に移し、
何を創造したがっているかに目を向けてみる

レベル3
実際に自分のイメージどおりのものを創ってみる
夢を実現する機会を自分に与える

統治者 The Ruler

目指すもの 調和のとれた豊かな王国(人生)
恐れるもの 無秩序、制御不能
ドラゴン/問題への対処 建設的な利用方法を見つける
課題 
 自分の人生に全面的に責任を持つ、
 心の奥の自己を世の中で表現していく方法を見つける
ギフト/美点 統治力、責任感、言語能力

嗜癖を招きやすい性質 強い支配欲
嗜癖対象 支配、共依存

 
鬼のような暴君であり、自分のやり方に固執して
王国の(あるいは、心の)創造性の芽を踏みにじり、
どんな犠牲を払っても支配権を手放さない。
独善的な怒りに駆られて
「その者の首を刎ねろ!」
と叫ぶ王や女王の姿を彷彿とさせる。
(子どもをしつける親のように)権威ある立場にあっても、
それに付随する責務にどう対処すればよいのかわかっていないと、
人は往々にしてこうした行動を取るものだ。
何かを支配したいという衝動に突き動かされている人間の中にも、
統治者の影が潜んでいる。
支配欲、厳格、専制的、人を操る行動、恐ろしい暴君

覚醒を促す声 
人生における資源、調和、支援、秩序の不足

レベル1
自分の人生の現状に責任を持つ。
外界での欠乏となって表れている内面の傷や
無力感を癒す方法を模索する。
自分の人生や家族の人生を第一に考える。

レベル2
現実の世界で自分の夢を明示するスキルを養い、
そのための環境づくりを行う。
自分が属しているグループやコミュニティの幸福に
関心を持つ

レベル3
資源——外部のものも内部のものも——の徹底活用。
社会や地球全体の幸福に関心を持つ

魔術師 The Magician

目指すもの 期待以下の現実を期待以上の現実に変容させる
恐れるもの 邪悪な魔術(マイナス方向への変容)
ドラゴン/問題への対処 変容させる、癒す
課題 自己(セルフ)と宇宙との連携
ギフト/美点 自分だけのパワー

嗜癖を招きやすい性質 不誠実(なイメージ)
嗜癖対象 魔力、幻覚剤、マリファナ

 
邪悪な妖術使いとして、
その人の未来から輝きを奪ってしまう存在。
私たちがそうした邪悪な妖術に魅了されるのは、
自分や他人を軽んじたり、
選択肢や可能性を自分の手で狭めたりしている時であり、
結果的に自尊心の成果を招いてしまう。
魔術師の影は、ネガティブな思考や行動で
自分や他人を不快にさせるという、
誰にでも備わっている能力でもある。
邪悪な魔法使いや意地の悪い魔女。
ネガティブな出来事に同調し、
ネガティブなものを自分に引き寄せ、
ポジティブな出来事をネガティブな出来事に変える

覚醒を促す声 
体や心の疾患。超感覚的な体験、シンクロニシティの体験

レベル1
癒しを体験したり、超感覚的な体験や
シンクロニシティから目を背けない道を選ぶ

レベル2
ビジョンん従って行動し、そのビジョンを
現実のものにすることによって
自分の霊感に根拠を与える。夢を実現する

レベル3
すべてのものが互いに結びついているという知識を意識的に利用する。
心理的、感情的、霊的な現実を変えることによって、
物理的な現実を変えるという技術に磨きをかける

賢者 The Sage

目指すもの 真実、理解
恐れるもの 欺瞞、幻想
ドラゴン/問題への対処 研究する、理解する、超越する
課題 知識や英知の獲得と悟りへの到達
ギフト/美点 懐疑主義、英知、無頓着

嗜癖を招きやすい性質 批判主義
嗜癖対象 正しい答え、精神安定剤

 
感情のないーー冷淡で、合理的で、薄情で、
独断的で、時として尊大なーー
裁判官として私たちの評価を行い、
「また充分とはいえない」「正しいやり方をしていない」
と意見を述べる。
隔絶。無感覚。”象牙の塔” ”超越感”、批判的、
祭壇的、もったいぶったふるまいや態度

覚醒を促す声 
混乱。疑念。真実を見つけたいという強い欲求

レベル1
真理と客観性の探求

レベル2
懐疑主義、真実の多様性と複雑性の認識、
真実に対する相対的な視点。
人間の条件の一つとしての主観性の受容

レベル3
究極の真実、もしくは複数の真実の体験。英知

道化 The Fool

目指すもの 享楽、喜び、活力
恐れるもの 意気消沈
ドラゴン/問題への対処 一緒に遊ぶかいたずらを仕掛ける
課題 プロセスに対する信頼。旅そのものを楽しむこと
ギフト/美点 喜び、自由、解放

嗜癖を招きやすい性質 酩酊
嗜癖対象 刺激、アルコール、コカイン

 
大食漢や不精者や好色漢といった、
威厳も自制心もなく、欲望や肉体的衝動のままに
行動していることが明らかな者。
わがまま、ものぐさ、大食漢、無責任

覚醒を促す声 
退屈、倦怠、もっと人生を楽しみたいという欲望

レベル1
道化(人生はゲームであり、楽しむために存在する)

レベル2
トリックスター(回転の早い頭は、他人を騙し、
困難を切り抜け、障害物を避ける方法を見つけ、
咎められることなく真実を語るためにある)

レベル3
賢い道化、もしくは、阿呆
(人生とは今という瞬間を存分に味わうこと。
生きることそのものを祝い、一日一日、
瞬間瞬間を着実に生きていくこと)

出典:『英雄の旅』キャロル・S・ピアソン 2013年

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