コロナの時代の僕ら

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コロナ時代の僕ら パオロ・ジョルダーノ 

2020年2月29日から3月4日のコロナウイルスが感染拡大するイタリア、ローマ。
 
200万部のベストセラーと物理学博士号をもつ小説家、パオロ・ジョルダーノが、予定外の空白の時間の中で、感染症がもたらしたものを忘れないように記録した27のエッセイ。
 
作家は、トリノ大学で物理学を学んだ経歴をもち、
修士課程に在籍中に『素数たちの孤独』で
文壇デビューを果たしました。
 
日本語版では3月20日の文章
「コロナウイルスが過ぎたあとも、僕が忘れたくないこと」
もあとがきとして掲載され、このあとがきが秀逸です。

地に足をつけたままで

この文章を僕が書いている今日は、珍しい二月二十九日、うるう年の二〇二〇年の土曜日だ。世界で確認された感染者数は八万五千人を超え、死者は三千人に迫っている。

現に今も、ジョンズ・ホプキンス大学がウェブで公開している世界の観戦状況を集計した地図を目の前の画面に開きっぱなしにしてある。

COVID-19 Dashboard 2020/05/19 8:32 JST

僕のこの先しばらくの予定は感染拡大防止策のためにキャンセルされるか、こちらから延期してもらった。

そして気づけば、予定外の空白の中にいた。

僕はこの空白の時間を使って文章を書くことにした。

時に執筆作業は重りとなって、僕らが地に足を着けたままでいられるよう、助けてくれるものだ。

でも別の動機もある。

この感染症がこちらに対して、僕ら人類の何を明らかにしつつあるのか、それを絶対に見逃したくないのだ。

コロナウイルス が過ぎたあとも、僕が忘れたくないこと

すべてが終わった時、本当に僕たちは以前とまったく同じ世界を再現したいのだろうか。

僕は忘れたくない。ルールに服従した周囲の人々の姿を。そしてそれを見た時の自分の驚きを。病人のみならず、健康な者の世話までする人々の疲れを知らぬ献身を。そして夕方になると窓辺で歌い、彼らに対する自らの支持を示していた者たちを。

僕は忘れたくない。今回のパンデミックのそもそもの原因が秘密の軍事実験などではなく、自然と環境に対する人間の危うい接し方、森林破壊、僕らの軽率な消費行動にこそあることを。

僕は忘れたくない。・・・

日本の現状 2020.5.10

令和2年4月7日 7都府県に緊急事態宣言

令和 2 年4月7日に、新型コロナウイルス感染症対策本部長は法第 32 条第 1 項に基づき、緊急事態宣言を行った。緊急事態措置を実施すべき期間は令和2年4月7日から令和2年5月6日 までの 29 日間であり、緊急事態措置を実施すべき区域は埼玉県、千葉県、 東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県及び福岡県とした。

首相官邸 チラシ

令和2年4月16日 緊急事態措置を全国に拡大

上記7都府県と同程度にまん延が進んでいる道府 県として北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府を緊急事態措 置を実施すべき区域に加えるとともに、それ以外の県においても都市部か らの人の移動等によりクラスターが各地で発生し、感染が拡大傾向に見ら れることなどから、人の移動を最小化する観点等より、全都道府県を緊急事態措置の対象とすることとした。

新型コロナウイルス感染症発生の状況に関する事実

我が国においては、令和2年1月 15 日に最初の感染者が確認された後、5月2日までに、合計 46 都道府県において合計 14,677 人の感染者、492 人の死亡者が確認されている。また、感染経路が特定できていない感染者 が 61%(令和 2 年5月3日現在、5月1日までの状況)を占める状況とな っている。

令和2年5月4日 緊急事態措置を5月 31 日まで延長

令和 2 年 5 月4日、法第 32 条第 3 項に基づ き、引き続き全都道府県を緊急事態措置の対象とし、これらの区域におい て緊急事態措置を実施すべき期間を令和2年5月 31 日まで延長する。

なお、緊急事態措置を実施する必要がなくなったと認められるときは、 期間内であっても速やかに緊急事態を解除する。

東洋経済オンライン 新型コロナウイルス国内感染の状況

感じたこと・考えたこと

ジャレド・ダイアモンド氏の『銃・病原菌・鉄』にもあるとおり、人類史において、病原菌は大きな役割を果たしてきました。

場合によっては、武器による制圧ではなく、病原菌の蔓延により、民族が滅びたり、あるいは人口が激減することは、何度も繰り返されてきました。
 
そのたびに、社会制度も大きく変わりました。

14世紀のペストにより、農奴解放が進み、16世紀の天然痘により、中南米の王国・帝国が崩壊し、19〜20世紀のコレラにより、公衆衛生が向上しました。

スペイン風邪は、第一次世界大戦の戦死者の4倍もの死者を出し、戦争終結を早めました。

この新型コロナウイルスによって、オンラインの活動、デジタルでの監視が拡大しています。さらには、ウイルスの遺伝子解析結果の共有もリアルタイムで行われています。

また、マスクの着用も世界で一般的になっています。
 
生き延びるために、一律に給付金が支給され、さらに補助金、助成金、無利子での貸付などの施策が実施され、これはベーシックインカムの試金石となる可能性もあります。

「家にいることこそが社会のためになる Stay Home」と世界中一斉でメッセージされていることは、未曾有の状況です。

私たちが生かされていること、前線で献身的に働いてくださる方々、自発的に助け合いが起こっていることに感謝します。

そして、人類の騒ぎとは関係なく、季節は巡っていき、花は美しく咲き、緑が伸びていくことに何よりも癒されます。ありがたいことです。
 
私もまた忘れないように、今日感じたこと、考えたことを書いておきました。

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