アブラハム・マズロー Abraham Maslow 超まとめ

学びの葉
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アブラハム・マズローについて調べようと思ったきっかけ

インテグラル理論の段階について、整理していたときに、併記されていたのが、よく知られているマズローの欲求段階でした。

よく知られているピラミッドの図ですが、この図をマズロー自身が書いたこともないとか。

振り返ってみると、マズローについて、私自身、原著にあたったことがないと気づき、調べてみることにしました。

アブラハム・マズローの略歴

Abraham Harold Maslow, 1908年4月1日 – 1970年6月8日
アメリカの心理学者。

マズローは、人間と動物を区別しない行動主義心理学や
精神病理だけを対象とする精神分析ではなく、
心と健康を対象にしたいと人間の自己実現を対象にした
人間性心理学を立ち上げました。
 
ロシア出身のユダヤ人の長男として、ニューヨークで生まれる。
ウィスコンシン大学にて、1934年心理学の博士号を取得。
1938年 ニューヨーク市立大学。1946年 ブルックリン大学。
1951年 ブランスダイス大学の教授、心理学部長。
1962年 ヒューマニスティック心理学会を創設。
1967年-1968年、アメリカ心理学会会長。
1969年 トランスパーソナル心理学会を設立。
1970年 持病の心臓障害で急逝。

アブラハム・マズローの著作(翻訳本)

この章は、中野明 著『マズロー心理学入門: 人間性心理学の源流を求めて』を参考にしています。

人間性の心理学(同期と人格) 1954年 Motivation and Personality

論文「人間の動機づけに関する理論」は、この著作に収録されており、「欲求階層論」が書籍の形で出ました。
1970年に改訂版が出版され、この年にマズローが急逝しました。

完全なる人間 1962年 Toward a Psychology of Being

本書は、1954年から1960年にかけての講演原稿や論文が、それぞれ独立して各章に割り当てられています。1950年代のマズローの思想を知るのに格好の内容になっています。なかでも「思考体験におけるB認識」は、1956年の講演に基づくもので、マズローが初めて至高体験について語った論文です。

創造的人間 1964年 Religions, Values, and Peak-Experience

マズローが言う至高体験とは、宗教的経験や神秘的経験、あるいは超越的経験をより一般的なものととらえ、それを世俗化して表現したものです。前作に比べて宗教的・哲学的施策が深まった内容になっています。

自己実現の経営(完全なる経営) 1965年 Eupsychian Management

原典タイトルは『Eupsychian Management(ユーサイキアン・マネジメント)』です。「Eupsychian」はマズローの造語で、自己実現した人々が作る理想の社会を指します。
マズローが1962年に訪れたカリフォルニアのノンリニア・システムズ社では、ピーター・ドラッカーやダグラス・マグレガーらの考え方をベースにして、社員の成長を促す経営管理手法を採用していました。その様子はマズローに強烈な印象を与え、企業が理想社会ユーサイキアを実現するために重要な役割を果たすという洞察に至ります。

可能性の心理学 1966年 The Psychology of Science

マズローは自身が研究対象にする包括的人間が、従来の科学では適切な研究対象になっていなかったと考えました。これは従来科学がもつ極端な抽象化にその限界があるとマズローは考えました。その上で、現代の科学的な心理学者に対する批判を述べ、経験と抽象化を統合する包括的心理学の在り方を提唱します。

人間性の最高価値 1971年 The Father Reaches of Human Nature

1970年マズローが急逝した翌年に、論文をとりまとめて出版されました。
本書では各論文を「健康と病気」「創造性」「価値」といった大項目の下に分類して収録しています。他の著作にはない「Z理論」に関する論文が収録されています。

マスローの人間論 1996年 

『真実の人間—アブラハム・マスローの生涯』の筆者であるエドワード・ホフマンが、マズローの未発表論文に、マズローの略伝と各論文に関する短評を加えたものです。

マズローの欲求階層論

この章は、『Motivation and Personality』を参考にしています。

人間の欲求は、分類することができる。低次の欲求のほうが強く、低次の欲求が満たされると、高次の欲求が現れる。そのため、階層組織に落とし込むことができる。この階層は不動のものではなく、人によって違いがみられる。

表面上、基本欲求は、悪いものでも、罪深いものでもない。食物、安全、所属と愛、社会的承認と自己承認、自己実現を求めることと必要とすることは、悪いことではない。

生理的欲求 The Physiological needs

食欲、睡眠、性欲、運動など、生理的な欲求である。これは基本的であり、強い欲求である。

安全欲求 The Safety needs

生理的欲求が満たされると、安全欲求が現れる。安全栓、安定性、依存性、保護、恐怖からの自由、不安と混乱からの自由、構造・秩序・法律・制限の欲求、保護者の強さなどについての欲求である。赤ん坊や子供には、単純ではっきりとこの欲求が見られる。というのも、大人はその欲求を表に出すことは、社会で制限されているからである。

所属と愛の欲求 The Belongingness and Love needs

生理的欲求と安全欲求が十分満たされると、愛と所属の欲求が現れる。友人、恋人、妻、子どもがいないことを強く感じるようになる。そして、一般的には、人々との愛情のこもった関係、つまり自分のグループや家族の中での場所を渇望し、この目標を達成するために多大な努力を払う。

尊重(承認)の欲求 The Esteem needs

この欲求は2つに分けられる。
第一に、自己評価への欲求で、強さへの欲求、達成への欲求、適切性への欲求、熟練と能力への欲求、世界に直面したときの自信への欲求、独立と自由への欲求である。
第二に、他者からの評価への欲求で、評判や威信、ステータス、名声と栄光、支配、認識、注目、重要性、尊厳、または感謝のための欲求と呼ぶことができる。

これらの欲求は、アルフレッド・アドラーやその信奉者によって相対的に強調され、フロイトによって相対的に軽視されてきた。

自己実現の欲求 The need for Self-actualization

「自己実現」とは、クルト・ゴールドシュタインが初めて使った言葉である。
自己実現を求める人間の欲求とは、人が潜在的にもっているものを現実化させようとすることである。この欲求は、生理的、安全、愛、尊重の欲求が満たされてから、はっきりと現れてくる。そして、自分に適していることをしていない限り、不満と落ち着きのなさを持ってくる。もし究極的に平穏でありたいなら、音楽家は音楽をつくり、画家は絵を描き、詩人は詩を書かなければならない。

健康と自己実現者

この章は、『Toward a Psychology of Being』を参考にしています。

基本欲求と病気と健康

基本的欲求が満たされていないときには

1. その欠如が病気を生み出す
2. その欠如がないときには、病気を防ぐ
3. その回復が病気を治す
4.ある(非常に複雑な)自由な選択の状況では、欲求が満たされていない人は、他の満足よりもその欲求を選ぶ
5. 健康な人では、その欲求がほとんど動かないか、衰退しているか、機能しない

健康な人々とは

動機付けのステータスに関する限り、健康な人々は安全、帰属、愛、尊敬、自尊心に関する基本的なニーズを十分に満たしているため、主に自己実現の傾向に動機付けられている。

自己実現とは、潜在能力、能力、 才能、使命の実現化のことである。

自己実現を使命(または召命、運命)の達成として、
あるいは、自分固有の性質を完全に知り、それを受け入れたものとして、
あるいは、個人内での統一、統合または相乗作用への絶え間なく向かうものとして、行うのである。

これらの健康な人々に以下のような特徴が観察された。
1. 現実に対する優れた認識
2.自己、他者、自然に対するより高い受容
3.自発性の増加
4.課題(本質的価値)中心
5.分離とプライバシー欲求の増加
6.自律性の向上と文化に組み込まれることへの抵抗
7.認識の新鮮さと感情の反応の豊かさ
8.至高体験の頻度の多さ
9.人類としての高い認識
10.対人関係の改善
11.より民主的な性格構造
12.創造性の向上
13.価値体系の一定の変化

B価値  B-values

マズローは、自己実現した人の共通点として、欠乏を動機とせず、B価値を尊重していることを
導き出しました。

通常、私たちは、有用性、望ましさ、悪さ、または善さ、目的への適合性など、手段価値の庇護の下で行動する。
私たちは、評価したり、支配したり、判断したり、非難したり、承認したりする。
私たちは、ともに笑うのではなく、他のものを笑う。
私たちは、個人的な経験に反応し、自分自身と自分の目的を基準にして世界を認識し、それによって世界を自分の目的のための手段にすぎないものにしてしまう。

これは、世界から切り離されていることの反対であり、逆に言えば、私たちは世界を実際に知覚しているのではなく、世界の中で自分自身を知覚しているか、自分自身の中で世界を知覚していることを意味している。

私たちは欠乏を動機とする方法で知覚し、それゆえにD価値(deficency-values)だけを知覚することができる。

これは、世界全体を知覚することと、至高体験で私たちが世界の一部を知覚することとは異なる。そして、その時だけ、私たちは自分自身の価値ではなく、その価値を知覚することができる。これらを「存在の価値観」、略してB価値と呼ぶ。

私があげることができるのは、
1. 全体性(二分を超越)
2. 完全性
3. 完了
4. 正義
5. 生命力
6. 豊かさ
7. 単純さ
8. 美
9. 善
10. 独自性
11. 努力のなさ
12. 遊び心
13. 真実
14. 自足性

さらに調べていきたいこと

自己超越欲求
ユーサイキア

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