収入と幸福の関係についての研究まとめ

幸せ
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収入と幸福については、数々の研究がされているので、その研究をまとめてみました。随時追加していきます。

イースターリン・パラドックス the Easterlin Paradox

イースターリン・パラドックスとは、1974年、当時ペンシルバニア大学経済学部教授であり、幸福度データを研究した最初の経済学者であったリチャード・イースターリンが提唱した幸福経済学の知見です。 パラドックスとは、ある時点では幸福度は国家間でも国家内でも所得によって直接変化するが、時間が経つにつれて所得が増え続けても幸福度は上向きにはならないというものです。 パラドックスの根底にあるのは、時系列的な知見と時系列的な知見の矛盾です。このパラドックスの存在は、他の研究者によって強く論じられてきました。

主観的な幸福と所得について 所得に臨界点はあるのか?

この表は、幸福と世帯収入の単純なクロス集計を示しています。 世帯収入と報告された幸福の間の正の関連は非常に一貫しています。
(註:>$500K のサンプル数は8)

しかしながら、私は、収入が低くても30%以上の人が、とても幸せであると回答していることに注目したい。収入がないと幸せになれないことよりも、たとえ収入が低くても関係なく、幸せでいられることのほうが、よりよい人生を送れるのではないだろうか。

出典:Subjective Well-Being and Income: Is There Any Evidence of Satiation?
By Betsey Stevenson and Justin Wolfers
American Economic Review: Papers & Proceedings 2013, 103(3): 598–604 http://dx.doi.org/10.1257/aer.103.3.598

幸福を決定するものは何か? 収入か?それとも態度か?

この研究は、米国の縦断的データセットである全国青年縦断調査のデータを使用して、幸福の共変量が成熟した成人と若年成人の間である程度異なり、個人の幸福と前向きな態度との関係が収入を含む文献で知られている他の幸福の共変量よりも強いことを示しています。

これらの結果は、態度変数に関するさまざまな仮定に応じた推定手法の変更に対して堅牢です。態度変数の内生性を仮定して、研究は2段階の手順によって幸福と前向きな態度の方程式を同時に推定し、興味深い新しい結果を取得しています。これらの結果は、特に成熟した成人のサンプルでは、​​前向きな態度が幸福の共変量であるだけでなく、幸福の決定要因でもあることを示しています。

したがって、個人の幸福を高めるために、この研究では、個人が収入を増やすだけでなく、態度を改善するのに役立つように設計された政策を推奨しています。

幸福が若年成人の学校教育の年数と正の相関があることを示しています。それは彼らの健康問題に反比例します。知性と雇用は成人の幸福に正の関連がありますが、若年成人には大きな影響はありません。子供の数は若年成人の幸福確率を低下させますが、成人の幸福確率にはそのような影響はありません。興味深いことに、配偶者と同居している既婚労働者は、結婚していない、または配偶者がいない労働者よりも幸せです。同様に、白人と女性は一般に、他の同一の非白人と男性の対応者よりも幸せです。予想通り、家の所有権はすべての年齢層の個人の幸せを増します。

出典:What Determines Happiness? Income or Attitude: Evidence From the U.S. Longitudinal Data 
By Madhu S. Mohanty California State University, Los Angeles
Journal of Neuroscience, Psychology, and Economics 2014, Vol. 7, No. 2, 80–102

1958年からの30年間の日本人の生活満足度の推移

 1958年を起点として、その後30年間、日本人の一人当たりのGDPは増加したが、生活満足度は向上していないという調査結果です。

出典:Will Money Increase Subjective Well-Being?
Ed Diener University of Illinois, Urbana-Champaign,
Robert Biswas-Diener Portland State University
February 2002 Social Indicators Research 57(2):119-169

お金で変えるWell-Being

《お金で変えるWell-Beingの頭打ちポイント》

人生の評価1045万円/年
ポジティブ経験660万円/年
ネガティブ経験825万円/年
出典:石川善樹『フルライフ 今日の仕事と10年先の目標と100年の人生をつなぐ時間戦略』 位置No.1287

* 1ドル = 110円
* 家族の扶養人数がN人ならば√N倍する必要がある

グラント研究

人生全体を通じた幸福感と満足感を調査した研究の結果を見ると、金以外のもうひとつの重要な要素が浮かび上がってくる。その研究とは、ハーバード大学医学大学院でおこなわれた「グラント研究」だ。

これは、1939~44年にハーバード大学を卒業した268人(このうちのひとりが第35代アメリカ大統領のジョン・F・ケネディだ)を75年間にわたり追跡調査した研究である。のちに、ボストンのスラム地区で暮らす456人の貧困層の若者も調査の対象に追加された。

この研究は、人生への満足感を高める要素を知ることを目的にしていた。

長期の追跡調査の結果、裕福な人ほど幸福感が高い傾向は確かに見られたが、満足して幸せな人生を生きるために最も重要な要素は金ではないことがわかった。

人生への満足感を最も左右する要素は「温かい人間関係」だというのだ。この研究を指揮した研究者のジョージ・ヴァイラントはこう述べている。
幸福とは愛である。それ以上でも以下でもない」。ほかの人とつながることは、よい人生を送り、人生で直面する試練に対処するための土台になるようだ。

出典:アンドリュー スコット,リンダ グラットン. LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略

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