黄帝内経素問・四気調神大論

学びの葉
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  1. 四気調神大論とは
  2. 四気調神大論
    1. 第一節
      1. 春三月、此谓发陈。
      2. 天地俱生、万物以荣。
      3. 夜卧早起、广步于庭。
      4. 被发缓形、以使志生。
      5. 生而勿杀、予而勿夺、赏而勿罚。
      6. 此春气之应、养生之道也。
      7. 逆之则伤肝、夏为寒变、奉长者少。
    2. 第二節
      1. 夏三月、此谓蕃秀。
      2. 天地气交、万物华实。
      3. 夜卧早起、无厌于日。
      4. 使志无怒、使华英成秀、使气得泄、若所爱在外。
      5. 此夏气之应、养长之道也。
      6. 逆之则伤心、秋为痰疟、奉收者少、冬至重病。
    3. 第三節
      1. 秋三月、此谓容平。
      2. 天气以急、地气以明。
      3. 早卧早起、与鸡俱兴。
      4. 使志安宁、以缓秋刑。
      5. 收敛神气、使秋气平。
      6. 无外其志、使肺气清。
      7. 此秋气之应、养收之道也。
      8. 逆之则伤肺、冬为飧泄、奉藏者少。
    4. 第四節
      1. 冬三月、此谓闭藏。
      2. 水冰地坼、无扰乎阳。
      3. 早卧晚起、必待日光。
      4. 使志若伏若匿、若有私意、若已有得。
      5. 去寒就温、无泄皮肤、使气亟夺。
      6. 此冬气之应、养藏之道也。
      7. 逆之则伤肾、春为痿厥、奉生者少。
    5. 第五節
      1. 天气、请净光明者也、藏德不止、故不下也。
      2. 邪害空窍、阳气老闭塞、地气者冒明、云雾不精、则上应白露不下。
      3. 交通不表、万物命故不施、不施则名木多死。
      4. 恶气不发、风雨不节、白露不下、则菀稾不荣。
      5. 贼风数至、暴雨数起、天地四时不相保、与道相失、则未央绝灭。
      6. 唯圣人从之、故身无奇病、万物不失、生气不竭。
    6. 第六節
      1. 逆春气、则少阳不生、肝气内变。 
      2. 逆夏气、则太阳不长、心气内洞。
      3. 逆秋气、则太阴不收、肺气焦满。
      4. 逆冬气、则少阴不藏、肾气獨沉。
    7. 第七節
      1. 夫四时阴阳者、万物之根本也。
      2. 所以圣人春夏养阳、秋冬养阴、以从其根、故与万物沉浮于生长之门。
      3. 逆其根、则伐其本、坏其真矣。
      4. 故阴阳四时者、万物之终始也、死生之本也。
      5. 逆之则灾害生、从之则苛疾不超、是谓得道。
      6. 道者、圣人行之、患者佩之。
      7. 从阴阳则生、逆之则死、从之则治、逆之则乱。
    8. 第八節
      1. 是故圣人不治已病治未病、不治已乱治未乱、此之谓也。
  3. 関連記事

四気調神大論とは

四気調神大論とは、黄帝内経素問の第二篇です。

四気は、四季の天気、すなわち、春の暖かさ、夏の暑さ、秋の涼しさ、冬の寒さを指しています。調は、調律する、調整する、和らげる、神とは、精神や感情のことを指します。

清の高士宗《素問直解》によると、“四気調神とは、春夏秋冬の四季の気に従い、肝・心・脾・肺・腎の五臓の精を調節すること”です。これは、全編を通して、四季の気候の特徴に従って精神や感情を整えることを諭していることに由来しています。

明の呉昆《素問呉注》によると、””四季の気に従い、気を整えることは、上医である未病の治療にもなる”とのことです。

書かれている内容は、以下のとおり。

  1. 陰陽の四季の変化に応じた精神と情緒を養う原理と方法、それに逆らうことの危険性について説明しています。
  2. 春夏は陽を養い、秋冬は陰を養うことを基本としています。 これは、四季の陰陽を追うことの大切さを説いています。
  3. 自然の激しい変化は、生き物や人間に害をもたらす可能性があります。 四季を守り、健康をしっかり養うことで、初めて生命力を維持することができます。
  4. 健康管理の観点からは、『内経』の予防医療思想を反映し、「未病を治す」ことの積極的意義を強調しています。

四気調神大論

第一節

春三月、此谓发陈。

春三月、此谓发陈。
春三月、此発陳と謂う。
はるみつき、これはっちんという。

春の3ヶ月を発陳という。

天地俱生、万物以荣。

天地俱生、万物以荣。
天地倶に生じ、万物以て栄ゆ。
てんちともにしょうじ、ばんぶつもってさかゆ。

天地のすべてのものが発生し、万物が生き生きと栄える。

夜卧早起、广步于庭。

夜卧早起、广步于庭
夜は臥し早く起き、広く庭を歩む。
やはがしはやくおき、ひろくにわをあゆむ。

夜は寝て、朝早く起き、ゆっくりと庭を散歩する。

被发缓形、以使志生。

被发缓形、以使志生
髮を被むり、形を緩め、以て志を生ぜしむ。
はつをこうむり、かたをゆるめ、もってこころざしをしょうぜしむ。

髪の結びをほぐして、ゆったりとした服装にする。そうすることで、志が生まれてくる。

生而勿杀、予而勿夺、赏而勿罚。

生而勿杀、予而勿夺、赏而勿罚
生きて殺すことなかれ、予えて奪うことなかれ、賞して罰するなかれ。
いきてころすことなかれ、あたえてうばうことなかれ、しょうしてばっするなかれ。

生かすのはよいが、殺してはいけない。与えるのはよいが、奪ってはいけない。賞するのはよいが、罰してはいけない。

此春气之应、养生之道也。

此春气之应、养生之道也。
此れ春気の応は、養生の道なり。
これしゅんきのおうは、ようじょうのみちなり。

これが春の発生の気に相応する養生法である。

逆之则伤肝、夏为寒变、奉长者少。

逆之则伤肝、夏为寒变、奉长者少。
これに逆らわば肝を傷り、夏は寒の変たり、長を奉ずる者少なし。
これにさからわばかんをやぶり、なつはかんのへんたり、ちょうをほうずるものすくなし。

この養生法に逆らうと、肝気が傷み、夏になって、寒性の病にかかるようになり、夏の成長を受けるための気が不足するようになる。

第二節

夏三月、此谓蕃秀。

夏三月此谓蕃秀。
夏の三月、これ蕃秀と謂う。
なつのみつき、こればんしゅうという。

夏の三ヶ月を蕃秀と言う。

天地气交、万物华实。

天地气交、万物华实。
天地の気は交わり、万物の華さき実る。
てんちのきはまじわり、ばんぶつのはなさきみのる。

夏は天地に陰陽の気が交流し、万物は良く成長し、花が咲き、実る。

夜卧早起、无厌于日。

夜卧早起、无厌于日。
夜に臥し、早に起き、日を厭うことなかれ。
よるにがし、そうにおき、ひをいとうことなかれ。

夜は寝て、朝は早起きし、日陰に入ってばかりいないように。

使志无怒、使华英成秀、使气得泄、若所爱在外。

使志无怒、使华英成秀、使气得泄、若所爱在外。
志をして怒りなく、華英にして秀と成し、気をして泄を得、愛するところ外に在るが如く。
こころざしをしていかりなく、かえいにしてしゅうとなし、きをしてせつをえ、あいするところそとにあるがごとく。

志を掲げて、物事に怒らずに、花を咲きほこさせるような成果をあげることができる。体内の気を発散させて、愛する人が外で待っているかのように、外に出て、他者と交流しよう。

此夏气之应、养长之道也。

此夏气之应、养长之道也。
此れ夏気の応は、養長の道なり。
これかきのおうは、ようちょうのみちなり。

これが夏の成長の気に相応する養生法である。

逆之则伤心、秋为痰疟、奉收者少、冬至重病。

逆之则伤心秋为痰疟、奉收者少、冬至重病。
これに逆らわば心を傷り、秋に痰瘧を為す。收を奉じる者少し、冬重病に至る。
これにさからわばこころをやぶり、あきにたんぎゃくをなす。しゅうをほうじるものすくなし、ふゆじゅうびょうにいたる。

この養生法に逆らうと、心気が傷む。そして、秋になると、痰瘧の病気に罹り易くなる。すると、秋の「収気」に適応する能力が減少して、冬に重病に至る。

第三節

秋三月、此谓容平。

秋三月、此谓容平。
秋の三月、これ容平と謂う。
あきのみつき、これようへいという。

秋の三ヶ月を容平と言う。

天气以急、地气以明。

天气以急、地气以明。
天気は以て急にして、地気は以て明なり。
てんきはもってきゅうにして、ちきはもってめいなり。

空から強い風が吹き、地上の気は明るく透き通っている。

早卧早起、与鸡俱兴。

早卧早起、与鸡俱兴。
早く臥し早く起き、鷄と倶に興く。
はやくがしはやくおき、とりとともにおく。

早寝早起きし、にわとりとともに起きる。

使志安宁、以缓秋刑。

使志安宁、以缓秋刑。
志をして、安寧す、以て秋刑を緩くす。
こころざしをして、あんねいす、もってしゅうけいをゆるくす。

気持ちを穏やかに保ち、天地の秋の気の影響を和らげる。

收敛神气、使秋气平。

收敛神气、使秋气平。
神気を收斂して、秋気をして平しむ。
しんきをしゅうれんして、しゅうきをしてたいらしむ。

精神を引き締めて、平安を保つ。

无外其志、使肺气清。

无外其志、使肺气清。
其の志を外にすることなく、肺気をして清しむ。
そのこころざしをそとにすることなく、はいきをしてすずしむ。

気持ちを外に向ける活発な行動は、やり過ぎないようにして、肺気を清涼に保つ。

此秋气之应、养收之道也。

此秋气之应、养收之道也。
此れ秋気の応は、養収の道なり。
これしゅうきのおうは、ようしゅうのみちなり。

これが秋の収の気に相応する養生法である。

逆之则伤肺、冬为飧泄、奉藏者少。

逆之则伤肺、冬为飧泄、奉藏者少。
これに逆らわば肺を傷り、冬に飧泄を為す。蔵を奉じる者少し。
これにさからわばはいをやぶり、ふゆにそせつをなす。ぞうをほうじるものすくなし。

この養生法に逆らうと、肺気が傷む。そして、冬になると、飧泄の病気に罹り易くなる。すると、冬の「蔵気」に適応する能力が減少する。

第四節

冬三月、此谓闭藏。

冬三月、此谓闭藏
冬の三月、これ閉蔵と謂う。
ふゆのみつき、これへいぞうという。

冬の三ヶ月を閉蔵と言う。

水冰地坼、无扰乎阳。

水冰地坼、无扰乎阳
水は氷り、地は坼く。陽に擾らわされることなし。
みずはこおり、ちはさく。ようにわずらわされることなし。

水は凍り、地面も凍りひび割れる。陽気の暑さに煩わされることはない。

早卧晚起、必待日光。

早卧晚起、必待日光
早く卧し晚に起き,必ず日光を待つ。
はやくがしばんにおき、必ず日が昇るのを待つ。

早寝して、日が昇るのを待ってから、遅く起きる。

使志若伏若匿、若有私意、若已有得。

使志若伏若匿、若有私意、若已有得
志をして伏す若く匿す若く、私意有るが若く、已に得ること有るが若くせしむ。
こころざしをしてふすごとく、かくすごとく、しいあるがごとく、すでにうるあるがごとくせしむ。

志を持った仕事を、身を伏せるように、隠すように、自分の意見があるように、もすでに有利なことがあるようにさせる。

去寒就温、无泄皮肤、使气亟夺。

去寒就温、无泄皮肤、使气亟夺
寒を去り温に就き、皮膚を泄して、気を亟奪せしむことなかれ。
かんをさりおんにつき、ひふをせつして、きをきょくだつせしむことなかれ。

寒気に身を晒すことなく、保温に努め、汗をかくことで、陽気を外に出さないようにする。

此冬气之应、养藏之道也。

此冬气之应、养藏之道也
此れ冬気の応は、養蔵の道なり。
これとうきのおうは、ようぞうのみちなり。

これが冬の蔵の気に相応する養生法である。

逆之则伤肾、春为痿厥、奉生者少。

之则伤肾、春为痿厥、奉生者少。
これに逆らわば腎を傷り、春に痿厥を為す。生を奉じる者少し。
これにさからわばじんをやぶり、はるにいけつをなす。せいをほうじるものすくなし。

この養生法に逆らうと、腎気が傷む。そして、春になると、痿厥の病気に罹り易くなる。すると、春の「生気」に適応する能力が減少する。

第五節

天气、请净光明者也、藏德不止、故不下也。

天气、请净光明者也、藏德不止、故不下也。
天気は清浄にして光明なる者なり、徳を蔵して止まず、故に下らずなり。
てんきはせいじょうにしてこうめいなるものなり。とくをぞうしてやまず、ゆえにくだらずなり。

天の気は、清浄で、明るいもので、天気は徳を私たちに感じさせることなく、絶えず動いている。したがって、消失することはない。

邪害空窍、阳气老闭塞、地气者冒明、云雾不精、则上应白露不下。

邪害空窍、阳气老闭塞、地气者冒明、云雾不精、则上应白露不下。
天明らかなれば則ち日月は明らかならず。邪、空竅を害い、陽気なる者閉塞し、地気なる者明を冒う。雲霧精ならざれば則ち上に応じて白露は下らず。
てんあきらかなればすなわちじつげつはあきらかならず。じゃ、くうきょうをそこない、ようきなるものへいそくし、ちきなるものめいをおおう。うんむせいならざればすなわちかみにおうじてはくろはくだらず。

天が徳を隠さずに明らかにすれば、すなわち太陽や月は輝きを失う。邪が人体の空虚になった穴をそこない、陽気は閉塞し、地の気は暗くなる。雲霧が滞って、上がらなければ、上に応じて、雨露もふらない。

交通不表、万物命故不施、不施则名木多死。

交通不表、万物命故不施、不施则名木多死。
交通表われず。万物の命、故に施されず。施さざれば則ち名木多く死す。
こうつうあらわれず。ばんぶつのいのち、ゆえにほどこされず。ほごこさざればすなわちめいぼくおおくしす。

上下の気が交流しない。万物の生命は潤されない。潤されなければ、立派な樹木も多く枯れる。

恶气不发、风雨不节、白露不下、则菀稾不荣。

恶气不发、风雨不节、白露不下、则菀稾不荣。
悪気発せず、風雨節ならず、白露下らざれば則ち菀稾栄えず。
あっきはっせず、ふううせつならず、はくろくだらざればすなわちえんこうさかえず。

悪い気が発散されず、風雨が調節されず、雨露が降らなければ、すなわち緑豊かな穀物の苗は育たない。

贼风数至、暴雨数起、天地四时不相保、与道相失、则未央绝灭。

贼风数至、暴雨数起、天地四时不相保、与道相失、则未央绝灭。
賊風数しば至り、暴雨数しば起こり、天地四時相保たず。道と相失すれば則ち、未だ央ばならずして絶滅す。
ぞくふうしばしばいたり、ぼううしばしばおこり、てんちしいじあいたもたず。みちとあいしっすればすなわちいまだなかばならずしてぜつめつす。

強風暴雨がしばしば起こると、天地の春夏秋冬の陰陽のバランスが保たれなくなる。宇宙大自然の法則が崩れることで、万物の生命が若くして消滅する。

唯圣人从之、故身无奇病、万物不失、生气不竭。

唯圣人从之、故身无奇病、万物不失、生气不竭。
唯聖人のみ之に従う。故に身に奇病なく、万物失わず、生気は竭きず。
ただせいじんのみこれにしたがう。ゆえにみにきびょうなく、ばんぶつうしなわず、せいきはつきず。

ただし、唯一聖人だけは、養生法に従う。だから、心身に奇病が起こることも無く、万物を失うことなく、生命の気が尽きることがない。

第六節

逆春气、则少阳不生、肝气内变。 

逆春气、则少阳不生、肝气内变。
春気に逆らえば則ち少陽は生ぜず、肝気内に変ず。
しゅんきにさからえばすなわちしょうようはしょうぜず、かんきうちにへんず。

春の気に応じる養生法に逆らえば、少陽の気は発生しない。肝気は体内で病変する。

逆夏气、则太阳不长、心气内洞。

逆夏气、则太阳不长、心气内洞。
夏気に逆らえば則ち太陽は長ぜず、心気は内に洞なり。
かきにさからえばすなわちたいようはちょうぜず、しんきはうちにうつろなり。

夏の気に応じる養生法に逆らえば、太陽の気は成長しない。心気は虚ろとなる。

逆秋气、则太阴不收、肺气焦满。

逆秋气、则太阴不收、肺气焦满。
秋気に逆らえば則ち太陰は収せず、肺気は焦満す。
しゅうきにさからえばすなわちたいいんはしゅうせず、はいきはしょうまんす。

秋の気に応じる養生法に逆らえば、太陰の気は収斂しない。肺気は上焦を充満して胸が塞がる。

逆冬气、则少阴不藏、肾气獨沉。

逆冬气、则少阴不藏、肾气獨沉。
冬気に逆らえば則ち少陰は蔵せず、腎気は獨り沈む。
とうきにさからえばすなわちしょういんはぞうせず、じんきはにごりしずむ。

冬の気に応じる養生法に逆らえば、少陰は閉蔵しない。腎気は獨り沈む。

第七節

夫四时阴阳者、万物之根本也。

夫四时阴阳者、万物之根本也。
夫れ四時陰陽は万物の根本なり。
それしじいんようはばんぶつのこんぽんなり。

春夏秋冬の陰陽は、万物の根本である。

所以圣人春夏养阳、秋冬养阴、以从其根、故与万物沉浮于生长之门。

所以圣人春夏养阳、秋冬养阴、以从其根。故与万物沉浮于生长之门。
所以に聖人は春夏に陽を養い、秋冬に陰を養い、以て其の根に従うなり。故に万物と生長の門に沈浮す。
ゆえにせいじんははるなつにようをやしない、あきふゆにいんをやしない、もってそのこんにしたがうなり。ゆえにばんぶつとせいちょうのもんにふちんす。

したがって、聖人は春夏に陽気を養い、秋冬に陰気を養い、このようにその根本原則に従う。そのために、万物と共に、生長の規律に従って浮き沈みする。

逆其根、则伐其本、坏其真矣。

逆其根、则伐其本、坏其真矣。
其の根に逆らえば則ち其の本を伐ち、其の真を壊す。
そのこんにさからえばすなわちそのほんをうち、そのしんをこわす。

その根本に逆らえば、生命の根本に悪い影響を与え、身体の真気を壊す。

故阴阳四时者、万物之终始也、死生之本也。

故阴阳四时者、万物之终始也、死生之本也
故に陰陽四時は、万物の終始なり、死生の本なり。
ゆえにいんようしじは、ばんぶつのしゅうしなり。しせいのほんなり。

故に陰陽の四季の変化は、万物の終始であり、人類生死の根本である。

逆之则灾害生、从之则苛疾不超、是谓得道。

逆之则灾害生、从之则苛疾不超、是谓得道。
これに逆らえば則ち災害生ず。これに従えば則ち苛疾は起らず。是れ道を得たりと謂う。
これにさからえばすなわちさいがいしょうず。これにしたがえばすなわちかしつはおこらず。これみちをえたりという。

もしこの法則に逆らうときは、災害が生じる。もしこの法則に従えば、重病にはならず、このような状態を道を得たという。

道者、圣人行之、患者佩之。

道者圣人行之、患者佩之。
道なる者は、聖人はこれを行い、愚者はこれに佩く。
みちなるものは、せいじんはこれをおこない、ぐしゃはこれにそむく。

養生法に従う者、聖人はこれを行い、愚者はこれに背く。

从阴阳则生、逆之则死、从之则治、逆之则乱。

从阴阳则生、逆之则死从之则治、逆之则乱。
陰陽に従えば則ち生き、これに逆らえば則ち死す。これに従えば則ち治まり、これに逆らえば則ち乱れる。
いんようにしたがえばすなわちいき、これにさからえばすなわちしす。これにしたがえばすなわちおさまり、これにさからえばすなわちみだれる。

陰陽に従えば、生きて、逆らえば、死ぬことになる。陰陽に従えば、統治され、逆らえば、混乱する。

反顺为逆、是谓内格。
順に反いて逆を為す。是を内格と謂う。
じゅんにそむいてぎゃくをなす。これをないかくという。

陰陽の法則に従わず、そむいた行動をなすことを内格という。

第八節

是故圣人不治已病治未病、不治已乱治未乱、此之谓也。

是故圣人不治已病治未病、不治已乱治未乱、此之谓也。
是れ故に聖人已に病みたるを治せず、未病を治す。已に乱れたるを治せずして未だ乱れざるを治すとは此を謂うなり。
それゆえにせいじんすでにやみたるをちせず、みびょうをちす。すでにみだれたるをちせずしていまだみだれざるをちすとはこれをいうなり。

それ故に、聖人は、病気になってしまってから治療を講じるのではなく、病気になる前に予防治療を施す。国を収める政治も、騒乱が起こから弾圧するのではなく、乱が起こる前に人民を安寧する政治を施すとは、このことをいう。

夫病已成而后药之、乱已成而后治之、譬犹渴而穿井、斗而铸锥、不亦晚乎。
夫れ病已に成りて而る後これに薬し、乱已に成りて而る後これを治むるは、譬えば猶渇して井を穿ち、闘いして錐を鋳るがごとし、亦晩からずや。
それやまいすでになりてしかるのちこれにやくし、らんすでになりてしかるのちこれをおさむるは、たとえばなおかっしてせいをうがち、たたかいしてきりをいるがごとし、またおそからずや。

そもそも病になってからこれに投薬し、乱が起こってから治めるのは、たとえれば、のどが渇いてから井戸を掘り、闘いが始めってから武器をつくるようなもの、それでは間に合わないのではないか。

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