新型コロナが本当にこわくなくなる本 医学・政治・経済の見地から”コロナ騒動”を総括する

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新型コロナが本当にこわくなくなる本 医学・政治・経済の見地から”コロナ騒動”を総括する
井上正康(著)、松田学(著)
方丈社 (2021/5/7)

井上正康 いのうえ・まさやす 
1945年広島県生まれ。1974年岡山大学大学院修了(病理学)。大阪市立大学医学部教授(分子病態学)等を歴任。2011年大阪市立大学名誉教授。現在、健康科学研究所 所長、現代適塾 塾長。腸内フローラ移植臨床研究会・FMTクリニック院長。 

松田学 まつだ・まなぶ 
松田政策研究所代表、元衆議院議員、未来社会プロデューサー 
1981年東京大学経済学部卒、同年大蔵省入省、2010年国政進出のため財務省を退官、2012年衆議院議員、2015年東京大学大学院客員教授。松田政策研究所代表のほか、バサルト株式会社代表取締役社長、(社)キャッシュレスサービス振興協会代表理事、横浜市立大学客員教授、(社)日本ドローン協議会理事、言論NPO監事、国家基本問題研究所客員研究員、政策科学学会副会長、(社)日本ライフメンター協会顧問、その他、多数の役職に従事。

前半の井上医師の箇所のみ、メルマガでとりあげました。

今回の新型コロナウイルスの検査とワクチンについて、とてもわかりやすく解説されています。

遺伝子ワクチンについては、人類が初めて試す機会となり、長期的に観察していくことが必要ですが、現時点でいたずらに恐れる必要はないと考えます。専門家すらも予想困難な問題だからです。

新型コロナとは何だったのか

■コロナウイルス

日本人が子供の頃から罹かってきた
風邪の病原体の一つが、コロナウイルスです。

日本を含めた東アジアには、
大きく分けて4種類が土着コロナとして根づいていました。

私たちは、毎年のようにこれらのコロナウイルスに
さらされながら免疫力で戦ってきました。

ヒトに感染するコロナウイルスは、
この4種類に加え、
2002年にサーズ(SARS-CoV)、
2012年にマーズ(MERS-CoV)、そして
2019年に今回の新型コロナ(SARS-CoV-2)が誕生して、
7種類のグループが知られています。

■ウイルスの受容体

ウイルスの種類によって受容体は異なります。

新型コロナウイルスの場合、
腸管や肺の血管細胞にあるACE2という
タンパク質が受容体です。

実は、土着コロナの仲間であるHCoV-NL63の受容体も
新型コロナと同じACE2であることがわかっています。

■新型コロナの病態は血栓症

新型コロナウイルスに感染すると、
どのような症状が引き起こされるのでしょうか。

先ほど述べた通り、今回の新型コロナの受容体は
アンギオテンシン変換酵素(ACE2)という
酵素タンパク質です。

ACE2は主にヒトの血管壁にあり、
血圧を制御する働きがあることが
古くから知られていました。

ACE2は、気道粘膜よりも
小腸や大腸などの消化管や胆嚢に最も多く存在します。

ウイルスが消化管の血管壁に感染して生じた血栓は、
門脈を通って肝臓に到達します。

肝臓をすり抜けた小さな血栓が肺に集まり、
肺の血管に詰まります。

新型コロナの感染者では大半が無症状で
気がつかずに経過します。

しかし、この段階で肺のCT検査を行うと
スリガラス状の画像が観察されます。

新型コロナの重症患者では
血栓で肺血管が塞がれているので、
人工呼吸器では十分なガス交換ができず、
ECMOと呼ばれる対外循環によるガス交換が
必要になります。

新型コロナの感染によって誘起された間質性肺炎像が
消化管で生じた血栓が原因であるという発見は、
今回の重要な医学的成果の一つです。

インフルエンザは気管支や肺胞の内側から感染することで
肺炎を誘起するのです。

しかし、インフルエンザと異なり、
新型コロナの間質性肺炎像は
血栓が原因で起こっているのです。

■「感染予防」

感染予防は、まずウイルスを体内に侵入させないことです。

よく言われている「手洗い」や「うがい」です。

私はこれに「鼻洗浄」と「トイレの清掃」を
加えてお伝えしています。

今回の新型コロナに対しても、
これ以上の感染予防対策は過剰です。

■免疫力を高める4つのポイント

免疫力を維持する基本は、
「食べる」「動く」「寝る」「ストレスをためない」
の4つです。

ゴールデンウィーク中に、
長男が新型コロナに感染し、
家族は濃厚接触者になるという経験を
しました。

幸い、家庭内感染はなく、
検査キットで家族は2回とも陰性だったので、
濃厚感染者の待機期間明けを待つことなく
次男は、連休明けから大学に出かけることが
できました。

一方、夫は、職場の規則によって、
陰性に関わらず、待機期間中は、
自宅で自粛が求められました。

私は、税理士との対面の予定を
電話でのやりとりに切り替えた他は
家で通常モードで仕事を継続。

長男の症状は、療養期間が明けても
咳が残り、外出してよいか、調べましたが、
症状が軽快していればよいとしか
書かれていません。

熱は下がったし、軽快しているので、
問題なかろうと、通常の生活に戻しました。

10日ほどで、ようやく咳もおさまり、
後遺症もないようです。

よかった、よかった。

ちなみに、長男は、3回のワクチン接種を
受けていました。

また、一緒に飲み会に出かけた友だちは、
いずれも感染しなかったとのこと。

この本は数回にわけてとりあげます。

あなたとあなたのまわりで、新型コロナウイルスの感染はありましたか。

20220524 新型コロナが本当にこわくなくなる本_新型コロナとは何だったのか(1)vol.3418【最幸の人生の贈り方】

PCR検査とワクチン

■PCR検査

PCR検査は、組織や細胞で特定の遺伝子が
発現しているか否かを超高感度で調べることが
可能な画期的方法です。

発明者であるアメリカの生化学者キャリー・マリスは、
この功績によってノーベル化学賞を受賞しました。

この方法は超高感度であるために、
実験室のように環境や条件が
きわめて安定していることが大切です。

今回の新型コロナではこのPCR検査法が
ウイルスの検出法として利用されました。

この際に、ウイルスの量が多ければ
少ないサイクル数で検出されますが、
ウイルスの量が少ないと
サイクル数を増やさないと検出できません。

研究では、感染力のあるウイルスが検出されるのは
20サイクル程度で、
35サイクル以上増幅すると、
ウイルス遺伝子のカケラばかりになることも
わかっています。

PCR検査でCt値の運用が20のニュージランド、
30~35の台湾やスウェーデンなどでは
無意味な偽陽性(本当は陰性なのに陽性の判定)を
出さずにうまく利用されています。

逆に40<Ct値<45で運用している英国やフランスでは、
過剰対応でさまざまな混乱をきたしています。

日本はウイルス実害がはるかに少ないにもかかわらず、
彼らと同様にPCR検査を40<Ct値<45で
運用しています(2021年2月末現在)。

これは遺伝子のカケラが数個でも検出できる
異常な測定条件です。

発案者のキャリー・マリス博士自身、
「PCRを感染症の臨床診断に使うと
大きな混乱をきたすので、用いるべきでない」
との遺言を残して、
2019年のパンデミック直前に亡くなられました。

■抗体検査

全国のさまざまな場所で
新型コロナに対する抗体検査が実施され、
抗体保持者が思いのほか少ないことから、
「日本人はまだほとんど新型コロナに感染していない」
と言われました。

しかし、これは感染症や免疫学を知らない方の
初歩的な誤りです。

通常、軽症のウイルス感染症では
抗体ができてもすぐに消えますが、
重症の場合は抗体を長期産生し続けた人だけが
生き残るという原則があります。

実は、コロナウイルスに対するIgG抗体の
血中寿命は比較的短いために、
一度獲得しても生涯維持し続けることはできません。

新型コロナに感染した場合、
無症状者や軽症者では血中IgGの半減期が
約36日であることが報告されています。

そのために約半年で1%程度まで低下し、
1年も経てば検出限界以下になります。

一方、重症化した場合には抗体が
長期間高く維持されます。

しかし、抗体価は低下しても、
新型コロナに対する液性免疫や細胞性免疫は
体内のリンパ球に記憶されており、
再感染した際には速やかに活性化されて
迎撃態勢をとります。

■人類が初めて試す遺伝子ワクチン

ワクチンにはいくつかの種類がありますが、
一般的によく知られているのが
「生ワクチン」と「不活化ワクチン」です。

現代のワクチン開発は、
このような古典的な方法ではなく、
「遺伝子ワクチン」が主流になっています。

今回の場合は、コロナウイルスのスパイクの部分を
つくるための遺伝情報であるDNAやmRNA
(メッセンジャーRNA)を用いています。

これを接種すれば人体の細胞内で
スパイクタンパク質がつくられ、
これに対して免疫反応が起こることで
抗体などをつくる仕組みです。

人体に対して大々的に使われるのは
今回が初めてです。

遺伝子ワクチンの何が問題か。

通常、細胞内では遺伝情報が
DNA→mRNA→タンパク質へと
一方向に伝えられます。

ところが、ウイルスにはRNAを鋳型にして
DNAを合成する酵素(逆転写酵素)を持つ
レトロウイルスと呼ばれる集団がいます。

これらのレトロウイルスは、
逆転写酵素の働きによって
自身のRNA遺伝子をDNAに転写し、
宿主のDNAに組み込まれることで
長期間に渡り安定的・効率的に増殖していくことが
可能です。

万が一、コロナウイルスのスパイク遺伝子が
ヒトのDNA中に溶原化し、
その遺伝子が長期間発現し続けることになれば、
これを異物と認識して白血球が
常に攻撃し続けて自己免疫疾患を発症しかねません。

核のDNAが改変されているので
なかなか元に戻すことはできません。

そのことは、生涯にわたって
自己免疫疾患的な副反応を
抱え続けなければならないということを意味します。

そういうことが本当に起こるのかどうかは、
実際にやってみなければわかりません。

実は、ヒトの遺伝子の約30%は
ウイルス由来であることがわかっています。

私たちは、進化の過程で
これらの微生物から巧みに遺伝情報を取り入れ、
自らの生き残りに活用してきたのです。

ヒトは太古のウイルスや微生物の遺伝子から
進化してきた末裔なのです。

このような悠久の時を経て
進化してきたプロセスを無視して、
突然、人為的に異質の遺伝子を注入するのが
遺伝子ワクチンです。

事実上、遺伝子改変と同じ医療行為を
施すことになります。

それが人体にどのような影響を与えるのかは、
年単位の長いスケールで観察しないとわかりません。

これが今回の遺伝子ワクチンの見えないリスクであり、
専門家すらも予想困難な問題なのです。

変異の激しいRNAウイルスでは、
抗体ができることにより逆に病態が増悪して死亡する
〝抗体依存性感染増強(ADE)〟が起こる可能性があります。

実は、18年前のSARSでワクチンを
開発していた際にADEが起こることがわかり、
それ以来、ワクチンの開発が中断されました。

MERS、デング熱、C型ウイルス肝炎、エイズなども
危険なRNAウイルスによる感染症ですが、
いまだに有効なワクチンは開発されていません。

これは突然変異の激しいRNAウイルスの場合、
いずれもADEが起こる可能性があるからです。

新型コロナウイルスもRNAウイルスですから、
ADEが起こるリスクがあるのです。

この本は、1年前の本なので、
現在の状況を調査しました。

厚生労働省:新型コロナ 病原体検査の指針
https://www.mhlw.go.jp/content/000914399.pdf

厚生労働省:新型コロナ 検体プール検査法の指針
https://www.mhlw.go.jp/content/000725922.pdf

PCRのCt値は、概ね30≦Ct値<35で
設定されているようです。

Ct値とウイルス分離培養成功率の関連はこちら。
https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/6489

ワクチンの効果については、
厚生労働省が、ワクチン未接種者が接種済みに比べて
感染率が高いというデータを
4月第1週に出していましたが、
これは集計方法に誤りがあるという指摘を受けて、
翌週から修正されました。

翌4月11日の週では、
未接種の陽性者がぐっと減り40代、60代など
年代によっては2回接種した人の方が
陽性者が多くなっています。
https://youtu.be/mnOhoUlPnEk

最新のデータ(5/2-5/8)は、こちら。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000940730.pdf

ここからは、私の推測ですが、
2回ワクチン接種の人は、
安心だからと言って、外出するものの、
抗体そのものは低下してしまっているので、
それで陽性になってしまうのでは。

未接種の人は、ワクチン接種した人ほど
出歩かない可能性が高く、
陽性者が低い年代があるのかもしれません。

今回、ADEについては、あまり報告が見つからなかったので、
現時点ではあまり心配しなくてよいのではないでしょうか。

長期的な副反応については、
現時点では誰も判断することができません。

起こらないかもしれない未来を
心配する必要もないのでは。

ワクチンを接種してしまったなら、
副反応を心配するよりも、
リスクをとったメリットを
享受すればよいではないでしょうか。

 
そして、超過死亡率の観点から見れば、
日本は、パンデミックにより、
死亡者数が平年より減少している、
数少ない国です。
https://www.bbc.com/japanese/61343243

あなたは、免疫力を高めるために、どんなことに気をつけていますか。

20220525 PCR検査とワクチン_新型コロナが本当にこわくなくなる本(2)vol.3419【最幸の人生の贈り方】

この記事は、メルマガ記事から一部抜粋し、構成しています。

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